「辞めたいと思っているのは、自分だけなのかな」
大学病院の病棟で7年目。リーダーと委員会を任され、辞めたいと思う日が増えた。でも、辞めたいのは自分だけなのか、辞めたら後悔するのかがわからず、迷っている。
看護師の離職率は、数字の決め方と、辞めたい理由をあわせて見ると、自分の迷いと比べやすくなります。日本看護協会の調査をもとに、順に見ていきます。
30秒でわかる結論|看護師の離職率
- 2024年度の正規雇用の看護職員の離職率は11.0%でした。約9人に1人の割合です。
- 新卒で採用された人は8.4%、経験者として採用された人は16.1%でした。
- この数字は、定年退職も含めた、病院から見た退職者の割合です。
- 働きながら次の職場を探す看護師が考える退職したい理由は、「看護職の他の職場への興味」「子育て」「転居」の順でした。
看護師の離職率は、11.0%
日本看護協会の「2025年 病院看護実態調査」では、2024年度の離職率は次のとおりでした。
| 区分 | 離職率(2024年度) |
|---|---|
| 正規雇用の看護職員 | 11.0% |
| 新卒で採用された人 | 8.4% |
| 経験者として採用された人(既卒) | 16.1% |
※ 病院で働く看護職員(保健師・助産師・看護師・准看護師)の数字です。全国の病院8,022施設に聞き、3,502病院が答えた調査です。2023年度より、正規雇用は0.3ポイント、新卒は0.4ポイント下がりました。

この数字の見方
離職率は、1年間に辞めた人の数を、その年の平均の職員数で割った割合です。
- 定年退職も入っています。ただし、答えた病院の合計で2024年度に辞めた6万709人のうち、定年退職は3,449人で、1割に満たない数です。多くは定年以外の退職です
- 正規雇用だけの数字です。パート・アルバイト・臨時・嘱託の人は入っていません
- 病院から見た数字です。辞めたあと、別の病院に移った人も、看護の仕事を離れた人もまとめて数えています。転職した人の数とは違います

11.0%は、病院から見た退職者の割合です。転職した人の割合とは違うので、そこだけ分けて見てみてください 🌿
辞めたいと思う理由は、1つではない
ナースセンターに登録して、働きながら次の職場を探している看護師(3万531人)が答えた「退職したい理由」は、次のとおりでした(いくつでも選べる形・2024年度)。
| 理由 | 割合 |
|---|---|
| 看護職の他の職場への興味 | 14.3% |
| 子育て | 10.4% |
| 転居 | 8.1% |
| 自分の健康(主に身体的な理由) | 7.3% |
| 結婚 | 7.2% |
| 勤務時間が長い・超過勤務が多い | 7.2% |
※ 1人が答えた理由は、平均1.9個でした。辞めたい気持ちには、いくつかの理由が重なっていることが多いようです。
※ 25〜29歳(2,083人)では、「看護職の他の職場への興味」21.2%、「転居」13.4%、「結婚」11.5%、「夜勤の負担が大きい」10.7%の順でした。60歳以上の人では、「定年」が31.2%で最も多くなっています。
迷っているのは、自分だけではない
日本看護協会の会員4,430人が答えた「2025年 看護職員実態調査」では、看護職として働き続けたいと答えた人は62.9%でした。2021年の67.6%から下がっています。20〜30代と、病院で働く人で、ほかより低くなっていました。
辞める前に、確かめること
- 辞めたい理由を書き出す:仕事の中身なのか、勤務時間や夜勤なのか、子育てや家の事情なのか。理由によって、職場を変えるのか、働き方を変えるのかが分かれます。
- 残っている有給:有給は、働く人が求めた時季に取れるのが原則です。病院が時季を変えられるのは、事業の正常な運営を妨げる場合に限られます。
- 失業給付の条件:辞める前の2年間に、雇用保険の被保険者期間が12か月以上あるか。7日の待期は誰にもあり、自分の都合で辞めた場合は、そのあと原則1か月は支給されません。
- ナースセンターへの届出:辞めたときは、住所や氏名などを都道府県のナースセンターに届け出るよう努める決まりがあります(努力義務)。
退職の手続きの順番は、「会社を辞めるときの手続き」にまとめました。職場や働き方を変えると決めたときの選択肢の一つとして、派遣のしくみは、「看護師の派遣とは?」にまとめています。
辞めたあとに「こんなはずでは」と感じやすいのは、辞めたい理由と、次の職場や働き方の選び方が合っていないときです。理由を分けてから決めると、選び方を合わせやすくなります。
まとめ:今日やることは1つだけ
辞めたい理由を3つまで書き出し、それぞれ「職場を変えれば解決するか」「働き方を変えれば解決するか」に分ける。 辞めるかどうかを、気持ちだけでなく理由から決めやすくなります。
- 2024年度の正規雇用の看護職員の離職率は11.0%(約9人に1人)でした。
- この数字は、定年退職を含めた、病院から見た退職者の割合です。
- 退職したい理由は、他の職場への興味・子育て・転居の順で、1人平均1.9個でした。
- 辞める前に、有給・失業給付の条件・ナースセンターへの届出を確かめます。
※ 参考にした資料
- 公益社団法人 日本看護協会「2025年 病院看護実態調査」「2025年 看護職員実態調査」「ナースセンター登録データに基づく看護職の求職・求人・就職に関する分析」
- 看護師等の人材確保の促進に関する法律・労働基準法(e-Gov法令検索)
- ハローワークインターネットサービス(基本手当)


