「7年も離れていて、今さら看護師に戻れるのかな」
子どもが小学生になって、また看護師として働きたいと思うようになった。でも、医療はきっと変わっている。仕事についていけるのか、子育てと両立できるのか、どこから始めればいいのかがわからない。
ブランクからの復職は、免許の扱い・研修の場所・慣らしながら働く方法の3つを順に知っておくと、一歩目を決めやすくなります。法律と統計で見てみましょう。
30秒でわかる結論|ブランクがある看護師の復職
- 看護師の免許には、有効期限や更新の定めがありません。採用されるかどうかは別です。
- 再就職の不安で多いのは、「最新の看護の知識・技術に対応できるか」33.4%と「家事・子育てと両立できるか」32.6%です(国の調査・2010年)。ブランクが長いほど、知識・技術の不安が増えます。
- 各都道府県のナースセンターは、無料の職業紹介や研修を行っています。復職支援研修は46都道府県で行われ、実施した県のほとんどで採血・注射などの実技や感染予防・医療安全を扱っています。
- 働き方は、派遣で慣らす方法もあります。施設に直接雇われる前に試せる紹介予定派遣もあります。
何年までなら戻れる?
看護師の免許は、国家試験に合格して厚生労働大臣から受けるものです。法律には、免許の有効期限や更新の定めがありません。ブランクが何年あっても、期限切れで免許が使えなくなることはありません。
看護職員の免許を持ちながら看護職として働いていない人は、2018年末で約79万人(65歳未満では約70万人)と推計されています。
※ 推計は、免許を持つ人から働いている人を引いた数です。引退した人なども含みます。
ただし、免許があることと、採用されることは別です。ブランクの不安は、①研修で実技を慣らす→②ナースセンターで仕事探しを相談する→③働く時間と場所を決めて慣らしながら働く、の順で埋めていきましょう。
ついていけるか不安なとき
ブランクが長いほど、不安を持つ人が多くなる
看護職として働きたい離職者に聞いた国の調査では、再就職の不安は次のとおりでした。
| 再就職の不安 | 割合 |
|---|---|
| 最新の看護の知識・技術に対応できるか | 33.4% |
| 家事・子育てと両立できるか | 32.6% |
| 保育など育児支援の体制を確保できるか | 10.0% |
| 再就職した人への教育の体制が整っているか | 7.6% |
| 不安はない | 3.0% |
※ 2010年の調査で、対象は1,085人です。1つだけ選ぶ形の回答です。

「最新の知識・技術」の不安は、ブランクが1年未満では21.3%ですが、5〜10年未満では47.1%、10〜15年未満では51.1%でした。7年のブランクなら「5〜10年未満」に入り、ほぼ2人に1人が同じ不安を持っていました。
復職支援研修で、実技から慣らす
各都道府県のナースセンターは、看護の知識・技術の研修や、相談を行っています。2024年度は、46都道府県で復職支援研修が行われました。
| 研修の内容(実施した46都道府県) | 割合 |
|---|---|
| 採血・注射などの看護基礎技術 | 95.7% |
| 感染予防・管理、医療安全 | 91.3% |
| 最新の医療知識・技術・医療機器 | 84.8% |
| 一次救命処置 | 73.9% |
| 食事介助などの療養上の世話 | 65.2% |
| 復職を目指す人どうしの交流 | 63.0% |
| 施設の見学・体験 | 60.9% |
| 看護記録・電子カルテの操作 | 30.4% |
※ 1つの県が複数の内容を行っています。内容や日程は、県ごとに違います。
仕事探しは、ナースセンターでも
ナースセンターは、看護師の無料の職業紹介を行っています。ハローワークなどと連携して、仕事探しの相談にも乗ってくれます。
2024年度にナースセンターを通じて就職した人は、全国で9,100人でした。
※ ナースセンターを通じた就職だけの数で、看護師の再就職全体の数ではありません。
子育てと両立するには
再就職の不安で2番目に多いのは、「家事・子育てと両立できるか」(32.6%)でした。保育など育児支援の体制を確保できるかも10.0%です。
- 働く時間を先に決める:子どもの送り迎えや学校の行事に合わせて、週に何日・1日何時間働けるかを書き出しましょう。週20時間以上かどうかで、入る社会保険が変わります。
- 相談する:ナースセンターでは、仕事探しの相談にも乗ってもらえます。
慣らしながら働くなら
- 派遣で慣らす:派遣で働くときの雇い主は派遣会社で、仕事の指示は働く先から受けます。派遣会社には段階的な教育訓練を行う義務があり、その訓練は有給・無償で受けられます。→くわしくは「派遣看護師とは?」
- 紹介予定派遣で試す:働いたあとに直接雇われることを前提にした派遣です。同じ人が派遣で働けるのは6か月までで、前もって面接ができます。
- 働ける場所:病院や老健、利用者の自宅(訪問看護など)では、看護の仕事の派遣は原則できません(紹介予定派遣などは例外)。特養などの施設では認められています。→くわしくは「施設看護師は病棟とどう違う?」
- 週の時間:週20時間以上かどうかで、入る社会保険が変わります。→くわしくは「派遣看護師の社会保険は?」

ブランクの不安は、研修と慣らし方で少しずつ小さくしていけます 🌿
まとめ:今日やることは1つだけ
住んでいる都道府県のナースセンターのページを開き、復職支援研修の日程を確かめる。 ブランクの不安を、実技で埋める段取りが見えてきます。
ここまで読んだあなたなら、免許に期限がないことは、もうわかっています。次は、研修の日程を1つ見つけるだけです。
- 看護師の免許には、有効期限や更新の定めがありません。
- 再就職の不安で多いのは、知識・技術と子育てとの両立で、ブランクが長いほど知識・技術の不安が増えます(2010年の調査)。
- ナースセンターは、無料の職業紹介と研修を行っています。復職支援研修は46都道府県で行われています。
- 派遣や紹介予定派遣で、慣らしながら戻る方法もあります。
※ 参考にした資料
- 保健師助産師看護師法
- 看護師等の人材確保の促進に関する法律
- 厚生労働省「看護職員就業状況等実態調査」(2011年公表・2010年調査)
- 厚生労働科学研究「潜在看護職員数の推計」(令和2年度)
- 公益社団法人 日本看護協会「2024年度 中央ナースセンター事業報告書」、ニュースリリース(2025年11月)
- 労働者派遣法・労働者派遣法施行令


