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一人薬剤師はきつい?
違法?
薬局に置く薬剤師の人数の決まり

「一人で回す日が増えたけど、これって大丈夫なの?」

調剤薬局で5年目。店舗の薬剤師が辞めてから、一人で店を回す日が増えた。昼休みも取りにくく、処方箋が重なると焦る。そもそも違法じゃないのかと思うけれど、決まりがわからず、職場に何を言えばいいのかもわからない。

一人薬剤師かどうかは、処方箋の枚数で決まる人数の基準と、開店中は薬剤師がいるという決まりの2つで見ると、整理しやすくなります。法令と厚生労働省の通知・資料をもとに、順に見ていきます。

30秒でわかる結論|一人薬剤師

  • 薬局に置く薬剤師の人数は、前年の1日平均の処方箋数を40で割った数以上です。
  • 1日平均40枚以下なら1人で基準を満たすので、一人薬剤師そのものは違法ではありません。41枚からは2人必要です。
  • 開店時間中は、薬剤師が常に勤務していることも決まりです。外での業務のために一時的にいない時間(不在時間)は、調剤室を閉めます。
  • 常勤換算で薬剤師1人以下の薬局は7,735で、国の資料のグラフの区分を合わせた中の約13%です(計算値)。

薬局に置く薬剤師の人数は、どう決まる?

薬局の体制を定める省令では、調剤をする薬剤師の人数を、次のように決めています。

手順 中身
① 前年の処方箋の数 眼科・耳鼻咽喉科・歯科の処方箋は2/3枚と数え、ほかの科と合計する
② 1日平均 ①を、前年に営業した日数で割る
③ 必要な人数 ②を40で割る(1に満たなければ1人、端数は切り上げ)

たとえば1日平均が40枚なら1人、41枚なら2人です。眼科・耳鼻咽喉科・歯科の処方箋だけなら、60枚で40枚分と数えるので1人です(計算値)。

※ 決まるのは「その日の枚数」ではなく、前年の1日平均です。前年に営業した期間がない、または3か月未満の薬局は、見込みで計算します。

※ 1日平均が40枚を超える薬局は、前年の処方箋の数を都道府県に届け出ます(40枚以下なら届出は要りません)。

一人薬剤師の決まり。薬局の薬剤師の人数は前年の1日平均の処方箋数÷40以上で、40枚以下なら1人、41枚からは2人。開店中は薬剤師が常に勤務し、不在時間は調剤室を閉める。常勤換算1人以下の薬局は7,735(約13%・計算値)

一人薬剤師は、違法?

1日平均40枚以下の薬局なら、薬剤師1人で人数の基準を満たします。一人薬剤師だから違法、ということにはなりません。

40枚を超えているのに1人なら、人数の基準に合っていません。法律では、薬局を開く許可の基準として、体制が基準に合わないときは許可を与えないことができる、と定めています。

開店中は、薬剤師がいる決まり

人数とは別に、同じ省令に次の決まりがあります。

  • 開店時間中は、常に、その薬局で調剤をする薬剤師が勤務している。
  • 薬剤師の1週間の勤務時間の合計が、開店時間の1週間の合計以上である。

一人で回す時間帯がある薬局でも、薬剤師全員の1週間の勤務時間を合わせて、開店時間の1週間の合計以上が必要です。そのうえで、その1人がいない時間をどう扱うかが問題になります。

薬剤師がいない時間(不在時間)の決まり

薬剤師が薬局の外で業務をするため、やむを得ず、一時的にいなくなる時間は「薬剤師不在時間」として認められています。

  • 認められる例は、緊急時の在宅対応や、急に日程の決まった退院時カンファレンスへの参加です。
  • あらかじめ予定されている定期的な業務で、いつも不在になる時間は認められません。
  • 1日の不在時間は、4時間か、開店時間の半分の短いほうまでです。
  • 不在時間は、調剤室を閉めます。

在宅の訪問は、「在宅医療の薬剤師は何をする?」にまとめました。

事務の人に、どこまで任せられる?

薬剤師の指示のもとで、薬剤師の目が実際に届く場所であれば、薬の品質に影響がなく、判断のいらない機械的な作業に限り、PTPシートのままの薬をそろえることなどは、薬剤師以外の人が行ってよいとされています。最後の確認は薬剤師が自分で行います。

軟膏・水剤・散剤などを薬剤師以外の人が直接はかったり混ぜたりすることは、薬剤師法違反です。

下調べ係
下調べ係

一人で回しているときは、前年の1日平均の処方箋数と、不在時間の扱いを確かめると、職場と話しやすくなります 🌿

休憩は、取れる?

労働基準法では、働く時間が6時間を超えるなら45分以上、8時間を超えるなら1時間以上の休憩を、勤務の途中に取らせることになっています。休憩は自由に使える時間です。

一人薬剤師の薬局で、休憩中に薬局をどう扱うかを直接定めた国の決まりは、確認できませんでした。休憩中の扱い(閉める時間を決めているかなど)は、管理薬剤師や会社に確かめておきましょう。管理薬剤師の役割は、「管理薬剤師とは?」にまとめました。

一人薬剤師の薬局は、どのくらい?

厚生労働省の資料(2024年8月1日時点)のグラフで、常勤換算の薬剤師数の区分ごとの薬局の数は、次のとおりでした。

常勤換算の薬剤師数 薬局の数
1人以下 7,735
1人超〜2人以下 19,121
2人超〜3人以下 13,452
3人超〜5人以下 12,394
5人超〜10人以下 6,064
10人超 679

1人以下は、6つの区分の合計59,445の約13%です(計算値)。

同じ資料では、1人しか薬剤師がいない薬局の課題として、在宅や夜間休日などの処方箋に対応している割合が低いことや、薬剤師が急病などで急に対応できなくなったとき、患者が続けてフォローを受けられないことが挙がっています。

一人薬剤師がきついときに、確かめること

  • 前年の1日平均の処方箋数:40枚を超えていれば、1人では人数の基準に合わない。
  • 開店時間と、薬剤師の勤務時間:薬剤師全員の1週間の勤務時間の合計が、開店時間の合計以上か。
  • 開店中に薬剤師がいない時間:外での業務のための一時的な不在か、そのとき調剤室を閉めているか。
  • 休憩の取り方:6時間を超える勤務で45分以上の休憩が取れているか、休憩中の扱いが決まっているか。

職場を変えることも考えるなら、「薬剤師を辞めたい」にまとめました。

まとめ:今日やることは1つだけ

勤めている薬局の、前年の1日平均の処方箋数を確かめて、40枚を超えているかを見る。 レセコンの集計などでわからなければ、管理薬剤師や本部に聞きます。人数の基準に合っているかが、はっきりします。

  • 薬局の薬剤師の人数は、前年の1日平均の処方箋数÷40以上です。
  • 1日平均40枚以下なら1人で基準を満たし、41枚からは2人必要です。
  • 開店中は薬剤師が常に勤務し、不在時間は調剤室を閉めます。
  • 常勤換算1人以下の薬局は7,735(約13%・計算値)です。

※ 参考にした資料

  • 薬局並びに店舗販売業及び配置販売業の業務を行う体制を定める省令
  • 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律・同施行規則
  • 厚生労働省「薬生発0926第10号」(平成29年9月26日)「薬生総発0402第1号」(平成31年4月2日)
  • 中央社会保険医療協議会 総会資料「調剤について(その2)」(令和7年11月28日)
  • 労働基準法・同施行規則
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