「40代になってから転職なんて、もう遅いのかな」
薬局で働いて長くなった。職場の人間関係や将来のことを考えると、転職も気になる。でも、ネットで「40代の薬剤師は使えない」「40代の転職は厳しい」という声を見ると、動くのが怖くなる。
本当に年齢だけで決まるのかは、どのくらいの人が転職しているかと、転職したあとの賃金、求人の年齢の決まりで確かめられます。動くかどうかを決めやすくなるよう、国の統計と法律で見てみましょう。
30秒でわかる結論|40代の薬剤師の転職
- 国の調査(2025年)では、40〜44歳の転職入職率は8.8%、45〜49歳は7.9%です。25〜29歳(15.5%)より低いものの、2024年・2025年とも、40代の働く人の8%前後が1年間に転職して入職しています(全産業)。
- 40代前半で転職した人のうち、44.9%は前の職場より賃金が増えました。減った人は27.4%です(全産業)。
- 求人で年齢を制限することは、原則として禁止されています(例外あり)。
- 薬剤師だけを年代別に見た国の転職の統計はありません。数字は全産業のものです。
40代は、どのくらい転職しているか
厚生労働省の雇用動向調査で、働く人のうち1年間に転職して入職した人の割合(転職入職率)を年代別に見ると、次のとおりでした。
| 年代 | 2024年 | 2025年 |
|---|---|---|
| 25〜29歳 | 15.9% | 15.5% |
| 30〜34歳 | 11.7% | 12.2% |
| 35〜39歳 | 9.1% | 8.5% |
| 40〜44歳 | 8.4% | 8.8% |
| 45〜49歳 | 8.2% | 7.9% |
※ その年代の働く人(常用労働者)に占める、1年間に転職して入職した人の割合です。全産業の値で、薬剤師だけの値ではありません。

40代は20代より転職する人の割合が低いものの、35〜39歳との差は2024年・2025年とも1ポイント未満です(2025年は40〜44歳のほうが高い)。
転職したあとの賃金は
同じ調査で、転職した人の賃金が前の職場とくらべてどう変わったかを見ると、次のとおりでした。
2025年
| 年代 | 増えた | 減った |
|---|---|---|
| 40〜44歳 | 44.9% | 27.4% |
| 45〜49歳 | 41.1% | 30.1% |
2024年
| 年代 | 増えた | 減った |
|---|---|---|
| 40〜44歳 | 45.9% | 29.0% |
| 45〜49歳 | 46.4% | 23.8% |
※ このほか「変わらない」人が、2025年は40〜44歳で24.6%、45〜49歳で28.0%でした。実際に転職した人の中での割合で、転職すれば増えるという確率ではありません。全産業の値です。
40代で転職した人は、増えた人のほうが減った人より多くなっています。ただし年ごとの振れもあるので、2年分を並べています。
求人の年齢の決まり
会社が人を募集・採用するときは、原則として年齢にかかわりなく均等な機会を与えなければなりません。
年齢を制限してよいのは、次のような例外の場合です。
- 定年の年齢を下回ることを条件に、期間の定めのない契約で募集するとき
- 長く勤めて育てるために、職業の経験を問わず、新卒と同じ扱いで若い人を募集するとき
- 特定の職種で、特定の年齢層の人がとても少ない場合など
これらにあたる求人では、年齢の上限が書かれることがあります。また選考では、年齢以外の理由で決まることもあります。
また会社は、仕事の内容や、求める経験・技能の程度をできる限り示すことになっています。求人に書かれた求める経験と、これまでの経験を照らし合わせて選べます。
「40代は使えない」と言われるけれど
国の数字と法律で見ると、40代の転職入職率は35〜39歳と1ポイント未満の差で、転職した人の4割を超える人が賃金が増えています(全産業)。求人の年齢制限は原則として禁止されていて、求人には求める経験が示されます。40〜44歳の薬剤師の平均勤続年数は10.0年で、積み上げてきた経験があります。
薬剤師の求人は
薬剤師が入る職業の区分(医師・歯科医師・獣医師・薬剤師)のハローワークの有効求人倍率は、2025年度で1.95倍でした(職業全体は1.10倍)。
※ ハローワークを通じた求人・求職だけの数字で、薬剤師だけ・年代別の値は公表されていません。求人の動きは、「薬剤師の転職は厳しい?」にまとめました。
40代の薬剤師の年収(国の統計からの計算値。2025年6月の残業代を除く月給×12+前年の賞与)は、40〜44歳で約556万円、45〜49歳で約631万円です。くわしくは「薬剤師の年収は30代・40代でいくら?」にまとめました。
転職を考えるときに、確かめること
- 自分の経験:勤めてきた薬局の種類、年数、在宅やかかりつけなど担当してきた仕事。
- 求人の求める経験:仕事の内容と、求める経験・技能の程度。
- 今の年収:求人の年収と同じ式でくらべるため、残業代を除いた月給×12+去年の賞与を出す。

年齢だけで決まるわけではないことが、数字から見えてきます 🌿
まとめ:今日やることは1つだけ
これまで担当してきた仕事(薬局の種類・年数・在宅やかかりつけなど)を、3行でメモに書き出す。 求人に書かれた「求める経験」と照らし合わせやすくなります。
- 40〜44歳の転職入職率は8.8%、45〜49歳は7.9%で、35〜39歳との差は1ポイント未満です(2025年・全産業)。
- 40代前半で転職した人の44.9%は賃金が増え、減った人は27.4%でした。
- 求人で年齢を制限することは、原則として禁止されています。
- 求人には求める経験が示されるので、これまでの経験と照らし合わせて選べます。
※ 参考にした資料
- 厚生労働省「雇用動向調査」(2024年・2025年)
- 労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律・同施行規則
- 厚生労働省「一般職業紹介状況(職業安定業務統計)」
- 厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」

