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薬剤師の転職は厳しい?
国の統計で見る求人の数と、
働き先の変化

夕方の調剤薬局のカウンターに、調剤トレーと二つ折りの紙、手帳、ボールペン

「薬剤師って、もう余ってるんでしょ?」

調剤薬局で働いて12年。職場を変えたい気持ちはある。でも、そんな話を聞くたびに、今から動いても遅いのではと不安になる。

「もう余っている」かどうかは、今の求人の数と働き先の変化を分けて見ると、整理しやすくなります。国の統計で見てみましょう。

30秒でわかる結論

  • 薬剤師を含む職業区分の有効求人倍率は1.70倍(2026年8月)で、職業全体の1.06倍より高くなっています。
  • ただし、有効求人倍率は2024年度まで上がったあと、2025年度に下がりました(2.21倍→1.95倍)。2026年8月も、前の年の同じ月より低くなっています。
  • 薬剤師の働き先は薬局が6割(2024年末)で、2022年末とくらべて薬局で働く人は増え、企業で働く人は減っています。
  • 年代別(40代・50代など)の求人の数は、国の統計にはありません。

求人の数は、どのくらいあるか

ハローワークの統計(一般職業紹介状況)で、仕事を探している人1人あたりの求人の数(有効求人倍率)を見ると、次のとおりです。

有効求人倍率(パートを含む常用・2026年8月)。医師・歯科医師・獣医師・薬剤師の区分 1.70倍、職業全体 1.06倍

※ 薬剤師だけの値は公表されておらず、医師・歯科医師・獣医師と合わせた区分の値です。ハローワークを通じた求人と求職だけの数字で、民間の紹介会社の求人は入っていません。

求人倍率が1倍より高いのは、ハローワークでは、仕事を探している人より求人のほうが多いということです。ただし、この区分全体でも求人は8,900件ほどで、ハローワークを通じた一部の数字です。

パートを除いた常用(フルタイムの仕事。契約社員や派遣も含みます)では2.45倍で、職業全体の1.17倍より高くなっています。

有効求人倍率は、2025年度に下がった

4月から翌年3月までの1年ごとに、有効求人倍率を見ると次のとおりです。

年度 有効求人倍率
2022年度 2.04倍
2023年度 2.18倍
2024年度 2.21倍
2025年度 1.95倍

※ 年度は4月〜翌年3月。パートを含む常用。医師・歯科医師・獣医師と合わせた区分です。

2024年度までは上がっていましたが、2025年度に下がりました。職業全体(2024年度1.14倍→2025年度1.10倍)よりも下がり方が大きく、2026年8月の1.70倍も、前の年の同じ月(1.98倍)より低くなっています。「求人がいくらでもある」とまでは言えない、ということです。

薬剤師は、どこで働いているか

薬剤師は全国に32万9,045人います(2024年12月31日現在)。働き先は次のとおりです。

働き先 人数 割合
薬局 19万7,437人 60.0%
病院 5万7,595人 17.5%
医薬品関係の企業 3万4,184人 10.4%

※ 医師・歯科医師・薬剤師統計。ほかに診療所・大学・行政機関などがあります。

この統計は2年ごとの届出をまとめたものです。前回の統計(2022年12月31日現在)とくらべると、薬局で働く人は6,702人増え、医薬品関係の企業で働く人は2,902人減っています。

参考:国が2021年にまとめた将来の見通し

国の検討会が薬剤師の将来の数をまとめた推計は、2021年のものです。5年前の推計なので、参考として見てください。

  • 2021年から見ておよそ10年(2030年ごろまで)は、需要と供給は同じくらい。
  • その先は、薬剤師が多くなりすぎると推計。
  • 必要な人数は、地域によって大きく違うと予想。

※ 処方箋の枚数や病床の数などに仮定をおいて計算した推計です。同じとりまとめは、2021年の時点で、病院を中心に薬剤師が足りていないとも書いています。

「転職は厳しい?」を、自分で確かめるには

国の統計からわかるのは、全体の傾向までです。自分の場合を確かめるときは、次の点を見ていきましょう。

  • 働きたい地域の求人を見ましょう。全国の数字と、自分が通える範囲の求人は同じではありません。
  • 働き先の種類ごとに分けて見ましょう。薬局で働く人は増え、企業で働く人は減っているなど、働き先によって動きが違います。
  • 年代ごとの数字は、統計にはありません。40代・50代の求人は、実際の求人の条件で確かめましょう。
  • 今の業務の幅を書き出しておきましょう。求人の条件と見くらべるときに役立ちます。
下調べ係
下調べ係

まずは働きたい地域と働き先を決めて、求人を見てみましょう 🌿

年収の数字は、「薬剤師の年収は?」にまとめました。

まとめ:今日やることは1つだけ

働きたい地域を1つ決めて、そこで出ている薬剤師の求人を3件見る。 全国の数字ではなく、自分が通える範囲の求人の数と条件が分かります。

  • 薬剤師を含む職業区分の有効求人倍率は1.70倍(2026年8月)で、職業全体の1.06倍より高くなっています。
  • ただし、有効求人倍率は2025年度に下がりました(2.21倍→1.95倍)。
  • 薬剤師の働き先は薬局が6割(2024年末)で、2022年末とくらべて薬局は増え、企業は減っています。
  • 年代別の数字は統計にないので、働きたい地域と働き先の求人で確かめましょう。

※ 参考にした資料

  • 厚生労働省「一般職業紹介状況(令和8年8月分)」
  • 厚生労働省「職業別労働市場関係指標」(e-Stat)
  • 厚生労働省「令和6年医師・歯科医師・薬剤師統計」
  • 厚生労働省「薬剤師の養成及び資質向上等に関する検討会 とりまとめ」(令和3年6月30日)
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