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薬剤師の派遣とは?
時給・働ける場所・
デメリット

朝の調剤薬局のカウンターに、調剤トレーと卓上カレンダー、手帳、ボールペン

「派遣の薬剤師って、時給が高いって本当?」

子どもの行事や送り迎えに合わせて働きたい。派遣なら時給が高いと聞いたけれど、どこで働けるのか、何に気をつければいいのかが分からない。

派遣は、働ける場所と契約のしくみを先に知っておくと、選びやすくなります。国の統計と法律で見てみましょう。

30秒でわかる結論

  • 派遣で働く薬剤師の賃金は、国の統計で8時間あたり25,965円、1時間に直すと約3,246円です(計算値)。
  • 薬剤師の調剤の派遣が原則として禁止されているのは、病院・診療所と介護医療院です。薬局は、禁止の場所に入っていません。
  • 派遣会社との雇用の契約が30日以内の派遣(日雇派遣)は、原則としてできません(60歳以上などの例外あり)。
  • 同じ職場の同じ課などで働けるのは、原則3年までです。

派遣のしくみ

派遣で働く人の雇い主は、働く職場ではなく派遣会社です。給料を払うのも派遣会社で、仕事の指示は働く職場(派遣先)から受けます。

派遣で働く薬剤師は、全国で2,563人です(2025年6月1日現在)。派遣で働く人全体の0.1%ほどです。

派遣で働ける場所・働けない場所

法律では、薬剤師の調剤の仕事を派遣でしてはいけない場所が決まっています。

場所 調剤の仕事の派遣
病院・診療所 原則できない
介護医療院 原則できない
薬局 禁止の場所に入っていない

※ 特別養護老人ホームや障害者支援施設などの中にある診療所は、禁止の「病院・診療所」から外れています。

病院などで原則禁止なのは、医療機関が派遣で来る人を前もって選べず、チーム医療に支障が出るおそれがあるためです。

ただし、病院でも次の場合は派遣で働けます。

  • 紹介予定派遣:派遣先に直接雇われることを予定した派遣です。同じ人が派遣で働けるのは6か月までで、前もって面接ができます。
  • 産休・育休・介護休業の代わり:休んでいる職員の代わりとして働く派遣です。
  • へき地の病院・診療所:離島・山村・過疎地域など、国が決めた市町村にある医療機関です。

派遣の薬剤師の賃金

厚生労働省が派遣会社の報告をまとめた統計では、派遣で働く薬剤師の賃金は、8時間あたり25,965円です(2024年度)。

派遣で働く薬剤師の賃金(1人1日8時間あたり)。2024年度25,965円、2023年度24,390円。1時間に直すと約3,246円(計算値)。派遣の薬剤師は2,563人

※ 派遣会社の事業所ごとの平均を、人数に関係なく単純に平均した額です。1時間あたりの額は、8で割った計算値です。

1年前(2023年度)は24,390円で、1,575円上がりました。

なお、派遣先が派遣会社に払う料金(派遣料金)は、賃金とは別に集計されていて、8時間あたり39,987円(消費税込み)です。働く人が受け取るのは、上の賃金のほうです。

この額が高いかどうかは、働く時間と期間をあわせて見ないと決められません。

単発の派遣は、原則できない

派遣会社に日々、または30日以内の期間で雇われて働く派遣(日雇派遣)は、法律で原則禁止されています。例外の仕事の一覧に、薬剤師の調剤は入っていません。

例外として、次の人は30日以内の派遣で働けます。

  • 60歳以上の人
  • 学生(定時制の学生などを除く)
  • 本人の年収が500万円以上の人(副業として働く場合)
  • 世帯の年収が500万円以上で、家計を主に支えていない人

※ 派遣会社との労働契約が31日以上なら、派遣先で働く期間が30日以内でも、この禁止には当たりません。ただし、働く日が1日しかないのに31日以上の契約にするなど、禁止を逃れるための契約は認められません。

派遣のデメリット

  • 同じ課などは原則3年まで:同じ人が同じ課などで働けるのは、原則3年までです。派遣会社に期間を決めずに雇われている人や、60歳以上の人などは例外です。
  • 派遣の契約が途中で終わったり、更新されなかったりすることがある:派遣の契約と、派遣会社との雇用の契約は別です。派遣の契約が終わっても、すぐに派遣会社から解雇されるわけではありません。
  • 病院で調剤をする派遣は限られる:病院で調剤の仕事をする派遣は、紹介予定派遣などの例外のときだけです。

派遣の待遇は、派遣先の職員とそろえるか、派遣会社の労使の協定で決める方法のどちらかで決まります。

派遣で働く前に、確かめること

  • 働く場所:薬局か、病院の例外(紹介予定派遣・休業の代わり・へき地)かを確かめましょう。
  • 契約の期間:派遣会社との契約が何日か、更新があるかを聞いておきましょう。
  • 時給と、1日・週に働く時間:1か月の額を計算しておきましょう。
  • 社会保険:週20時間以上などの条件に当てはまると、本人の希望にかかわらず加入します。手続きをするのは派遣会社です。くわしくは「派遣看護師の社会保険は?」で、派遣の場合の決まりをまとめました。
下調べ係
下調べ係

働ける場所は、薬局か病院かで大きく変わります 🌿

年収やパートの時給は、「薬剤師の年収は?」と「薬剤師のパートの時給は?」にまとめました。

まとめ:今日やることは1つだけ

働きたい曜日と時間、通える範囲、薬局と病院のどちらで働きたいかを紙に書き出す。 書き出しておくと、派遣会社に希望を伝えるときに条件がぶれません。

  • 派遣で働く薬剤師の賃金は、国の統計で8時間あたり25,965円(1時間約3,246円の計算値)です。
  • 調剤の派遣が原則として禁止されているのは病院・診療所と介護医療院で、薬局は禁止の場所に入っていません。
  • 派遣会社との雇用の契約が30日以内の派遣は、原則できません。
  • 同じ課などで働けるのは原則3年までです。

※ 参考にした資料

  • 厚生労働省「令和6年度 労働者派遣事業報告書の集計結果(速報)」
  • 厚生労働省「労働者派遣事業の令和7年6月1日現在の状況(速報)」
  • 労働者派遣法・労働者派遣法施行令・施行規則
  • 厚生労働省「労働者派遣事業関係業務取扱要領」
  • 厚生労働省「派遣先が講ずべき措置に関する指針」
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