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管理薬剤師とは?
なる要件・仕事・
薬剤師との違い

「次の店舗の管理薬剤師、お願いできないかな」

上司にそう言われてから、ずっと考えている。責任が重そうだけれど、実際に何をするのか、自分に務まるのか、給料は上がるのかがわからない。

法律で定められた仕事と、求められる条件を分けて見ると、引き受けるかを判断しやすくなります。法令と厚生労働省の通知で見てみましょう。

30秒でわかる結論|管理薬剤師

  • 管理薬剤師は、法律では「薬局の管理者」です。開設者が薬剤師でない薬局では、そこで働く薬剤師のうちから指定されます。
  • 仕事は、薬局で働く人の監督と、医薬品や設備の管理、必要なときに薬局の経営側(開設者)へ書面で意見を伝えることなどです。
  • 法律は「必要な能力と経験」を求めていますが、何年以上という定めはありません。
  • 調剤報酬の加算の一部の区分では、管理薬剤師に保険薬局での勤務経験5年以上・その薬局に週31時間以上の勤務・1年以上の在籍が求められます(2026年度の改定後)。
  • 管理薬剤師は、原則としてほかの場所で薬の仕事を兼ねられません。

管理薬剤師とは

薬局には、薬局を実地に管理する人を置くことが定められています。開設者(薬局を開いた会社や人)が薬剤師でないときは、その薬局で働く薬剤師のうちから薬局の管理者を指定します。この薬局の管理者が、一般に「管理薬剤師」と呼ばれる立場です。

国の統計(2024年末)の届出の区分では、薬局の勤務者で管理者として届け出た薬剤師が49,537人、開設者・法人の代表者で管理者として届け出た人が12,591人でした。

管理薬剤師(薬局の管理者)の仕事。薬局で働く人の監督、医薬品や設備の管理、開設者へ書面で意見を伝える、記録と帳簿。法律に年数の定めはないが、調剤報酬の加算の一部の区分では勤務経験5年以上・週31時間以上・1年以上の在籍が求められる

管理薬剤師の仕事

法律と省令で、薬局の管理者の仕事が定められています。

仕事 内容
人の監督 薬局で働く薬剤師やほかの従業者を監督する
物と設備の管理 医薬品などの物品と、薬局の構造設備を管理する
意見を伝える 必要なときは、開設者に書面で意見を述べる。その写しを3年間保存する
記録・帳簿 医薬品の試験検査と結果の確認、帳簿の記載、記録の保存
情報セキュリティ 薬局の業務に関わるサイバーセキュリティを確保する

開設者にも、意見に応える義務がある

管理者が書面で意見を述べたとき、開設者はその意見を尊重し、法令を守るために必要な対応をとり、その内容を記録して残さなければなりません。対応しないときは、その理由も記録します。

また開設者は、管理者がどんな権限を持つのかを明らかにすることになっています。引き受ける前に、自分の権限がどう決められているかを確かめておくと安心です。

なるための条件

法律には、年数の定めがない

薬局の管理者は、仕事を果たすために必要な能力と経験を持つ人でなければなりません。ただし、法律や省令に「実務経験◯年以上」といった数字はありません。保険薬局で5年以上働いた人なら、下の加算の経験年数の条件にも当たります。

調剤報酬の加算では、5年・週31時間・1年

薬局が調剤報酬の「地域支援・医薬品供給対応体制加算」の一部の区分を届け出るときは、その薬局の管理薬剤師に、次の条件がすべて求められます(2026年度の改定後)。

条件 内容
勤務経験 保険薬局で5年以上(病院などの薬剤師の経験は、1年まで含められる)
勤務時間 その薬局に週31時間以上
在籍期間 その薬局に、続けて1年以上

※ 2024年度の改定のときは「地域支援体制加算」という名前で、勤務時間は週32時間以上でした。

これは管理薬剤師になるための資格ではなく、薬局が加算を取るための条件です。ただ、この加算のその区分を届け出ている薬局では、管理薬剤師はその薬局で週31時間以上働くことが求められます。

転職して管理薬剤師になる場合、入ってすぐは「その薬局に1年以上在籍」に当たりません。求人の薬局がこの区分を届け出ているなら、その扱いを聞いておきましょう。

一般の薬剤師との違い

管理薬剤師 一般の薬剤師
立場 薬局の管理者として指定される 管理者の監督のもとで働く
仕事 調剤などに加えて、人の監督・物と設備の管理・開設者への意見 調剤や服薬の指導など
兼務 原則、ほかで薬の仕事はできない この定めはない

管理薬剤師は、その薬局以外の場所で薬局の管理や薬の仕事をすることはできません。都道府県知事の許可があれば例外になります。副業で別の薬局を手伝うことなどは、原則としてできなくなります。

給料はどうなる?

厚生労働省の賃金構造基本統計調査には、管理薬剤師だけを分けた給料の数字はありません。手当があるか、いくらかは、勤め先に確かめるしかありません。打診されたときや求人を見るときは、管理薬剤師の手当がいくらかを聞いておきましょう。

薬剤師全体の年収は、「薬剤師の年収は?」にまとめました。

引き受ける前に、確かめること

  • 権限:従業者の監督や医薬品の管理を、どこまで任されるか。
  • 意見を出したとき:書面で意見を出したら、誰がどう対応するのか。
  • 勤務時間と在籍:週何時間その薬局で働くことになるか。この加算のその区分を届け出ているか。
  • 手当:管理薬剤師の手当の有無と額。
  • 兼務:ほかの店舗の応援を求められないか。
下調べ係
下調べ係

仕事と権限がはっきりすると、引き受けるかを決めやすくなります 🌿

転職を考えるときの求人の動きは、「薬剤師の転職は厳しい?」にまとめました。

まとめ:今日やることは1つだけ

引き受けるか決める前に、確かめたいこと(権限・勤務時間・手当)をメモに書き出す。 上司との話や求人の比較で、聞き漏らしがなくなります。

  • 管理薬剤師は、法律では「薬局の管理者」で、開設者が薬剤師でない薬局では、そこで働く薬剤師のうちから指定されます。
  • 仕事は、人の監督・医薬品や設備の管理・開設者への書面での意見などです。
  • 法律に年数の定めはありませんが、加算の一部の区分では勤務経験5年以上・週31時間以上・1年以上の在籍が求められます。
  • 原則として、ほかの場所で薬の仕事を兼ねられません。
  • 管理薬剤師だけの給料の数字は国の統計にないので、手当の額は勤め先に確かめます。

※ 参考にした資料

  • 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(薬機法)・同施行規則
  • 厚生労働省「特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて」(2026年3月)
  • 厚生労働省「令和6年 医師・歯科医師・薬剤師統計」
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