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企業で働く薬剤師は
何をする?
仕事の種類と、薬局・病院との違い

「製薬会社の求人、薬剤師として何をするんだろう」

調剤薬局で7年目。企業の求人が気になっているけれど、企業で薬剤師が何をするのか、資格がどこで生きるのかがわからない。自分の経験で移れるのかも迷っている。

企業での仕事は、薬剤師を置くことが法律で決まっている役割と、資格の決まりがない仕事に分けると、見え方が変わります。法令と厚生労働省の統計をもとに、順に見ていきます。

30秒でわかる結論|企業で働く薬剤師

  • 企業で働く薬剤師(統計の「医薬品関係企業」=製薬会社・ドラッグストア・卸など)は、2024年末で34,184人、届出薬剤師の約1割です。前回の調査より減りました。
  • 製薬会社などでは、総括製造販売責任者・製造管理者・卸の営業所管理者に、原則として薬剤師を置く決まりがあります。
  • MR(医薬情報担当者)には資格の決まりがなく、薬剤師のMRは約9%です。
  • 企業と薬局・病院の年収を、国の統計でくらべることはできません。

企業で働く薬剤師は、どこにいる?

厚生労働省の統計(2024年末)では、薬剤師が働く場所は次のとおりでした。

働く場所 人数
薬局 197,437人
病院 57,595人
医薬品関係企業 34,184人

医薬品関係企業の内訳は、製薬会社など(製造販売業・製造業)24,102人、ドラッグストアなど(店舗販売業)5,090人、医薬品の卸4,959人、配置販売業33人です。

※ 医薬品関係企業で働く薬剤師は、前回の調査より2,902人減りました。平均年齢は49.1歳で、薬局(46.8歳)や病院(42.5歳)より高めです。

企業で働く薬剤師。2024年末で34,184人(製薬会社など24,102人)。製造販売業の総括製造販売責任者・製造所の製造管理者・卸の営業所管理者は原則として薬剤師。MRには資格の決まりがなく、薬剤師のMRは約9%。年収は国の統計で比べられない

薬剤師を置くことが決まっている役割

医薬品医療機器等法では、企業の次の役割に、原則として薬剤師を置くことが決まっています。

役割 置く場所
総括製造販売責任者 製薬会社(製造販売業)
医薬品製造管理者 工場(製造所ごと)
営業所管理者 医薬品の卸(営業所ごと)
  • 総括製造販売責任者:品質管理と、販売後の安全管理を担います。処方箋医薬品などを扱う製造販売業者(第一種)では、品質管理や安全管理などの業務に3年以上ついた人であることも要件です。
  • 医薬品製造管理者:製造所ごとに置き、製造を実地に管理します。
  • 営業所管理者:卸の営業所ごとに置き、営業所を管理します。

※ 総括製造販売責任者と医薬品製造管理者は、法律で、薬剤師であることに加えて、その仕事に必要な能力と経験を持つ人であることが求められています。

※ どれも例外があり、扱う医薬品によっては、また薬剤師を置くのがとても難しい場合などには、薬剤師以外が担えることがあります。

調剤薬局の管理薬剤師とくらべて考えたいときは、「管理薬剤師とは?」にまとめました。

資格の決まりがない仕事

企業には、薬剤師でなくてもできる仕事もあります。

  • MR(医薬情報担当者):医療関係者を訪ね、薬の安全な使い方に関わる情報を集めたり伝えたりします。法令上の資格の決まりはなく、製薬会社などに就職すればMRとして働けます。MR認定は公益財団法人の第三者認定で、国家資格ではありません。
  • 品質や安全の責任者:製造販売業者が置く品質の責任者と安全管理責任者は、その業務や似た業務に3年以上ついた人などが要件で、薬剤師の決まりはありません。
  • 治験の仕事:治験のモニターに資格の決まりはありません。

2024年度のMRは43,646人です。そのうち医療機関を訪ねて働くMRで見ると、薬剤師は3,764人(8.7%)でした。薬剤師のMRの人数は減る傾向が続き、過去最低になりました。

下調べ係
下調べ係

企業の求人は、薬剤師を置く決まりがある役割か、資格の決まりがない仕事かで、資格の生かし方が変わります 🌿

これからの改正

2027年5月20日に施行予定の法改正で、品質の責任者と安全の責任者が法律上の役職になります。総括製造販売責任者を薬剤師とする原則は変わりません。

年収は、くらべられる?

企業・薬局・病院を分けて、薬剤師の年収をくらべられる国の統計はありません。薬剤師全体の年収は、「薬剤師の年収は30代・40代でいくら?」にまとめました。ドラッグストアで働く場合は、「ドラッグストアの薬剤師は何をする?」にまとめました。

企業の求人で、確かめること

  • 仕事の種類:薬剤師を置く決まりがある役割(総括製造販売責任者・製造管理者・営業所管理者など)か、資格の決まりがない仕事(MRなど)か。
  • 求められる経験:総括製造販売責任者(第一種)や品質・安全の責任者は、その業務などに3年以上ついた経験が要件です。薬局での経験がどこまで数えられるかは法令に書かれていないので、求人票の応募条件で確かめます。MRには資格の決まりがなく、就職して働けます。
  • 勤め先の種類:製薬会社か、工場か、医薬品の卸か。

まとめ:今日やることは1つだけ

気になる企業の求人を1つ選び、その仕事が「薬剤師を置く決まりがある役割」か「資格の決まりがない仕事」かを書き出す。 薬剤師の資格がどこで生きるかが、はっきりします。

  • 企業で働く薬剤師は、2024年末で34,184人(約1割)です。
  • 総括製造販売責任者・製造管理者・卸の営業所管理者は、原則として薬剤師で、総括などにはその仕事に必要な経験も求められます。
  • MRには資格の決まりがなく、薬剤師のMRは約9%です。
  • 企業と薬局・病院の年収は、国の統計でくらべられません。

※ 参考にした資料

  • 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律・同施行規則
  • 医薬品の製造販売後安全管理の基準(GVP省令)・品質管理の基準(GQP省令)・臨床試験の実施の基準(GCP省令)
  • 厚生労働省「令和6年 医師・歯科医師・薬剤師統計の概況」
  • 公益財団法人 MR認定センター「MRになるためには」「MR白書 2025年版」
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