「ドラッグストアに移ったら、調剤の経験はどうなるんだろう」
調剤薬局で6年目。ドラッグストアの求人が気になっている。でも、調剤から離れると経験が積めなくなるのでは、市販薬の販売ばかりになるのでは、と思うと決められない。
ドラッグストアでの仕事は、その店が調剤をする「薬局」かどうかで大きく変わります。法律と厚生労働省の統計をもとに、順に見ていきます。
30秒でわかる結論|ドラッグストアの薬剤師
- 薬剤師が調剤できるのは、原則として「薬局」の許可がある場所です。調剤併設のドラッグストアは、調剤をする場所が「薬局」の許可を受けています。
- 市販薬のうち第一類医薬品は薬剤師しか売れず、書面で説明する決まりがあります。
- 市販薬だけの店を管理する店舗管理者は、薬剤師か登録販売者です。第一類を売る店は原則として薬剤師です。
- ドラッグストアと調剤薬局の年収を、国の統計でくらべることはできません。
「薬局」と「店舗販売業」の違い
ドラッグストアには、許可の種類が違う2つのタイプがあります。
| 許可 | 調剤 | 販売する薬 |
|---|---|---|
| 薬局 | できる | 市販薬 |
| 店舗販売業 | できない | 市販薬 |
※ 薬局は、調剤と、薬の情報提供・指導をする場所です。同じ開設者が薬局の中で医薬品を売る場所も、薬局に含まれます。薬剤師は、原則として薬局以外の場所で調剤できません。

調剤併設のドラッグストアなら、調剤の仕事を続けられます。市販薬だけの店(店舗販売業)では、調剤はしません。
市販薬の販売で、薬剤師がすること
市販薬は、売ってよい人が区分で決まっています。
| 区分 | 売れる人 |
|---|---|
| 要指導医薬品 | 薬剤師 |
| 第一類医薬品 | 薬剤師 |
| 第二類・第三類医薬品 | 薬剤師・登録販売者 |
第一類医薬品を売るときは、薬剤師が、使う人の年齢やほかの薬の使用状況などをあらかじめ確かめ、決められた事項を書いた書面で説明します。購入者が説明は要らないと伝え、適正に使われると認められる場合は、書面での説明をしないこともできます。
要指導医薬品の説明は、2026年5月1日から「対面等」になりました。映像と音声で互いの状態を確かめながら話す方法なども含みます。特定要指導医薬品は、これまでどおり対面が必要です。
調剤薬局で毎日しているほかの薬の確認は、第一類医薬品を売るときにも求められます。

求人の店が「薬局」か「店舗販売業」かで、調剤の仕事があるかが変わります。最初に確かめておきましょう 🌿
店舗管理者を任されることもある
市販薬だけの店(店舗販売業)では、店を実地に管理する店舗管理者を置きます。店舗管理者は薬剤師か登録販売者で、要指導医薬品や第一類医薬品を売る店では、原則として薬剤師です。調剤併設の店の薬局部分は、薬局の管理者(管理薬剤師)が管理します。管理薬剤師は、その薬局で働く薬剤師から指定されます。
調剤薬局の管理薬剤師とくらべて考えたいときは、「管理薬剤師とは?」にまとめました。
ドラッグストアで働く薬剤師は、どのくらい?
2024年末の厚生労働省の統計では、薬剤師329,045人のうち、薬局の従事者は197,437人(60.0%)、店舗販売業に従事する人は5,090人(1.5%)でした。
※ 5,090人は、市販薬だけの店(店舗販売業)で働く薬剤師の数です。調剤併設のドラッグストアの薬局部分で働く人は「薬局の従事者」に入ると考えられるため、ドラッグストアで働く薬剤師すべての数ではありません。
年収は、くらべられる?
国の賃金の統計には、薬剤師の年収をドラッグストアと調剤薬局に分けて出した表がありません。そのため、どちらの年収が高いかを国の統計でくらべることはできません。
薬剤師全体の年収は、「薬剤師の年収は30代・40代でいくら?」にまとめました。今の職場と求人の年収は、その記事と同じ形(残業代などを除く月給×12+賞与)にそろえると、くらべやすくなります。
ドラッグストアの求人で、確かめること
- 許可の種類:調剤併設(薬局)か、市販薬だけ(店舗販売業)か。
- 調剤と販売の割合:1日のうち、調剤と市販薬の販売をどのくらいずつ担当するか。
- 扱う市販薬の区分:要指導医薬品や第一類医薬品を扱っているか。扱っている店では、その販売と説明を薬剤師が担当します。
- 管理者:店舗管理者や管理薬剤師を任される予定があるか。
- 年収の内訳:残業代などを除く月給と、賞与。
まとめ:今日やることは1つだけ
気になる求人の店が、調剤併設の「薬局」か、市販薬だけの「店舗販売業」かを確かめる。 調剤の経験を続けられるかが、最初にはっきりします。
- 薬剤師が調剤できるのは、原則として「薬局」の許可がある場所です。
- 第一類医薬品は薬剤師しか売れず、書面で説明します。
- 第一類を売る店の店舗管理者は、原則として薬剤師です。
- ドラッグストアと調剤薬局の年収を、国の統計でくらべることはできません。
※ 参考にした資料
- 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律・同施行規則
- 薬剤師法
- 厚生労働省「令和6年 医師・歯科医師・薬剤師統計の概況」
- 厚生労働省「賃金構造基本統計調査」(令和7年)

