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かかりつけ薬剤師の要件は?
2026年度の改定と、転職したときの扱い

「かかりつけ薬剤師、今の私で届出できるのかな」

調剤薬局で5年目。上司から、かかりつけ薬剤師の届出をしてほしいと言われた。2026年度の改定で何が変わったのか、今の要件を満たしているのかがわからない。転職も考えていて、移ったら一からやり直しになるのかも気になる。

かかりつけ薬剤師は、本人の要件と薬局の要件に分けると、何が足りないかが見えてきます。厚生労働省の告示と通知をもとに、順に見ていきます。

30秒でわかる結論|かかりつけ薬剤師の要件

  • 2026年度の改定で、かかりつけ薬剤師指導料は廃止され、服薬管理指導料の中で「かかりつけ薬剤師が行った場合」として評価されるようになりました。
  • 本人の要件は、保険薬局での勤務経験3年以上、その薬局で週31時間以上の勤務と6か月以上の在籍、研修認定、地域活動への参画です。
  • 転職すると、その薬局での在籍6か月以上をあらためて満たす必要があります。勤務経験の3年は「その薬局で」とは書かれておらず、研修認定も本人に求められる要件です。
  • 薬局の側にも、週31時間以上働く薬剤師の平均在籍が1年以上か、管理薬剤師の在籍が3年以上のどちらかを満たすなどの要件があります。

2026年度の改定で、何が変わった?

2026年度の調剤報酬改定(2026年6月から)で、次のように変わりました。

項目 改定前 改定後
指導の評価 かかりつけ薬剤師指導料 服薬管理指導料
本人の勤務時間 週32時間以上 週31時間以上
本人の在籍期間 1年以上 6か月以上
継続の確認 (なし) フォローアップ加算
患家の訪問 (なし) 訪問加算

※ 本人の在籍の要件は1年から6か月に短くなり、転職したあと届出できるまでの期間も短くなりました。改定の趣旨は、かかりつけ薬剤師の普及と、患者がかかりつけ薬剤師を選びやすくすることです。

かかりつけ薬剤師の要件(2026年度)。本人は保険薬局での勤務経験3年以上、その薬局で週31時間以上・6か月以上の在籍、研修認定、地域活動。転職するとその薬局での在籍6か月をあらためて満たす。指導料は廃止され服薬管理指導料の中の評価に

服薬管理指導料の点数は、かかりつけ薬剤師が行った場合も、それ以外の薬剤師が行った場合も同じです(45点または59点)。かかりつけ薬剤師には、次の2つの加算が新しくできました。

  • フォローアップ加算:残薬調整などの加算を算定した患者に、患者や家族の求めに応じて、次に処方箋を持ってくるまでの間、電話などで服薬や残薬の状況を続けて確かめ、指導した場合。3か月に1回、50点です。
  • 訪問加算:患者や家族の求めに応じて家を訪ね、残薬の整理や薬の管理方法の指導をして、結果を医療機関に伝えた場合。6か月に1回、230点です。

かかりつけ薬剤師になる、本人の要件

次の要件をすべて満たす必要があります。

  • 勤務経験:届出の時点で、保険薬剤師として3年以上の保険薬局勤務経験があること。病院や診療所の薬剤師として1年以上働いた経験があれば、そのうち1年分を含められます。
  • 勤務時間:その薬局に週31時間以上勤務していること。育児・介護休業法による短時間勤務をしている場合は、その薬局に週31時間以上勤務するかかりつけ薬剤師がほかにいることを条件に、週24時間以上かつ週4日以上で足ります。
  • 在籍期間:届出の時点で、その薬局に継続して6か月以上在籍していること。同じ薬局に産休・育休・介護休業から戻った場合は、休む前の在籍期間を合わせて数えられます。
  • 研修認定:薬剤師認定制度認証機構が認証している研修認定制度などの認定を取っていること。
  • 地域活動:医療に関わる地域活動の取組に参画していること。
下調べ係
下調べ係

保険薬局で働いた3年は、今の薬局だけで数えるものではありません。在籍の6か月は、移った薬局で数え直しになります 🌿

薬局の要件も、確かめておきたい

届出は、薬局が地方厚生局に「服薬管理指導料の注1」の施設基準として、様式90で出します。本人は、要件を満たしていることを示せるように、勤務経験の年数と研修認定の認定証を用意しておきます。薬局の側にも要件があります。

  • 本人の要件を満たす薬剤師(派遣で働く人を含む)がいること。
  • 次のどちらかを満たすこと。

– 週31時間以上勤務する薬剤師の継続した在籍期間が、平均で1年以上
– 管理薬剤師がその薬局に継続して3年以上在籍

  • 患者との会話がほかの患者に聞こえないよう、パーテーションなどで区切ったカウンターがあること。

※ 2026年5月31日に、それまでのかかりつけ薬剤師指導料などの届出をしていた薬局は、2026年11月30日までは、在籍期間の要件を満たすものとみなされます。

転職するときに、確かめること

  • 勤務経験:保険薬局での勤務経験が通算3年以上あるか。
  • 研修認定:薬剤師認定制度認証機構が認証している研修認定を取っているか。認定証を手元で確かめておく。
  • 地域活動:医療に関わる地域活動に参画しているか。通知に具体的な例は書かれていないので、今の薬局で何を地域活動として扱っているかを上司に確かめておく。
  • 移った先の在籍:移った薬局で6か月以上在籍するまでは、その薬局はあなたをかかりつけ薬剤師として届け出られない。
  • 移る先の薬局:服薬管理指導料の注1(かかりつけ薬剤師)の届出をしているか。薬剤師の平均在籍期間や、管理薬剤師の在籍年数の要件を満たしているか。
  • 勤務時間:週31時間以上で働く条件か(パート勤務なら、週の時間を確かめる)。

管理薬剤師の仕事は「管理薬剤師とは?」、在宅の仕事は「在宅医療の薬剤師は何をする?」にまとめました。

まとめ:今日やることは1つだけ

保険薬局での勤務経験の年数、今の薬局での在籍月数と週の勤務時間、研修認定の有無の3つを、メモに書き出す。 今の薬局で届出できるか、転職したあと何が要るかが、はっきりします。

  • 2026年度の改定で、かかりつけ薬剤師指導料は廃止され、服薬管理指導料の中で評価されるようになりました。本人の在籍の要件は1年から6か月に短くなりました。
  • 本人の要件は、勤務経験3年以上、週31時間以上、その薬局で6か月以上の在籍、研修認定、地域活動です。
  • 転職すると、移った薬局での在籍6か月をあらためて満たす必要があります。
  • 新しく、フォローアップ加算と訪問加算ができました。

※ 参考にした資料

  • 厚生労働省「令和8年度診療報酬改定 個別改定項目」
  • 厚生労働省「調剤報酬点数表」(令和8年告示)
  • 厚生労働省「特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて」(2026年3月5日)
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