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理学療法士を辞めたい。
理由別に、
辞める前にできること

夕日が差し込む病院のリハビリ室。片付けられた治療用ベッドと平行棒

「もう理学療法士、辞めたいな」

リハビリ室で、先輩から人前で強い口調で注意される。患者さんの家族からの要求も重い。残業して記録を書いて、帰るのはいつも遅い。リハビリの仕事そのものは嫌いではないのに、朝になると職場に行くのがしんどい。

その「辞めたい」は、一つの気持ちに見えて、いくつかの理由が重なっていることがあります。理由を分けてみると、辞める前にできることが見えてきます。 理由ごとに、使える相談先や法律の決まりを知っておきましょう。

30秒でわかる結論

辞めたい理由 辞める前にできること
人間関係(上司・先輩・患者さんや家族) 職場の相談窓口や、無料の総合労働相談コーナーに相談する
働く時間・休み 残業の上限と、年5日の有給休暇の決まりを知る
給料・仕事の量 同じ年代・経験の理学療法士の求人と比べる
  • それでも辞めると決めたら、次の職場を探してから動きましょう。正社員など期間の決まりのない雇用なら、法律上は申し出から2週間で辞められます。
  • 医療・福祉の職場に転職してきた人が今の職場を選んだ理由は、「能力・個性・資格を生かせる」がいちばん多いです。理学療法士の資格を生かせる職場は、今の職場だけではありません。

辞めたい理由は、人それぞれ

医療・福祉の職場に転職してきた人が、前の職場を辞めた理由を見ると、次のとおりです。

医療・福祉の職場に転職してきた人が、前の職場を辞めた理由(令和7年・個人的理由の主なもの)。職場の人間関係12.8%、労働時間・休日などの条件が悪い9.7%、収入が少ない7.1%、会社の将来が不安5.3%。今の職場を選んだ理由で、いちばん多いのは能力・個性・資格を生かせる24.4%

※ 医療・福祉の職場に転職してきた人全体(職種を問わない)の数字で、理学療法士だけの数字ではありません。いちばん多いのは「その他の個人的理由」(24.5%)です。

人間関係・働く時間・給料は、辞める理由の中で大きな割合を占めています。あなたの「辞めたい」も、特別なことではありません。

人間関係がつらいなら

職場には、パワハラの相談窓口を設けて対応する義務があります。相談したことを理由に不利益な扱いをすることも、法律で禁止されています。

※ 仕事に必要な、適正な指導はパワハラにあたりません。言われた内容と言われ方をメモに残しておくと、相談するときの材料になります。

職場に相談しにくいなら、総合労働相談コーナーに相談できます。予約は要らず、無料で、電話でも相談できます。

また、2026年10月から、患者さんやその家族からの、度を超えた要求や暴言など(カスタマーハラスメント)への対策も、職場の義務になりました。要望や苦情のすべてが当たるわけではありませんが、家族からの要求がつらいときも、1人で抱えずに職場へ伝えましょう。

働く時間・休みがつらいなら

法律で決まった労働時間を超える残業には上限があり、原則は月45時間・年360時間までです。特別な取り決め(特別条項)があればこれを超えられますが、その場合も休日の労働を含めて月100時間未満などの上限があります。

1年に10日以上の有給休暇が与えられる人には、職場が年5日は取らせる義務があります。休めていないなら、この1年で何日取れているかを確かめましょう。

給料・仕事の量がつらいなら

給料は、同じ年代・経験年数の理学療法士の求人と比べましょう。全体の平均と比べると、年齢の違いで低く見えることがあります。数字の読み方は、「理学療法士は『やめとけ』?」にまとめました。

仕事の量は、病院・クリニックなら1日に担当する単位数で比べられます。職場の種類による違いは、「理学療法士から転職するなら?」にまとめました。

下調べ係
下調べ係

単位数を数えてみると、ほかの職場と比べる物差しができます 🌿

それでも辞めると決めたら

  • 次の職場を先に探しましょう。理学療法士の資格を生かせる職場は、病院のほかにもあります。
  • 辞める時期を決めましょう。期間の決まりのない雇用なら、法律上は申し出から2週間で辞められます。職場の就業規則も確かめ、担当している患者さんの引き継ぎや退院の時期も考えて伝えると、話が進めやすくなります。
  • 有給休暇の残りを確かめましょう。辞める前に使えるかを相談しておくと安心です。
  • 次が決まる前に辞めるなら、失業手当の扱いを知っておきましょう。自分の都合で辞めた場合、7日間の待期のあと、原則1か月は支給されません。上司や同僚からのひどい嫌がらせや、決まった基準を超える長い残業が理由で辞めた場合は、この制限がかからない扱い(特定受給資格者)になることがあります。扱いを判断するのはハローワークなので、辞める前に、最寄りのハローワークに相談しておきましょう。 言われた内容のメモや、残業の記録を持っていくと話が早く進みます。

辞めるときの手続きは「会社を辞めるときの手続き」に、健康保険と年金は「辞めたあとの健康保険と年金」にまとめています。

まとめ:今日やることは1つだけ

辞めたい理由を書き出して、この記事の表のどの行に当たるかを見る。 リハビリで患者さんの「できること」を一つずつ見つけてきたように、自分の「辞めたい」も一つずつ分けられます。

  • 理学療法士を辞めたい理由は、人間関係・働く時間・給料・仕事の量など人それぞれです。
  • 人間関係なら、職場の相談窓口や無料の総合労働相談コーナーに相談できます。
  • 働く時間なら、残業の上限と、年5日の有給休暇の決まりがあります。
  • 給料と仕事の量は、同じ年代・経験の理学療法士の求人と比べましょう。
  • それでも辞めると決めたら、次の職場を先に探してから動きましょう。

※ 参考にした資料

  • 厚生労働省「雇用動向調査」(令和7年)第12表
  • 労働施策総合推進法、厚生労働省「事業主が職場における優越的な関係を背景とした言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置等についての指針」
  • 厚生労働省「カスタマーハラスメント対策」の指針(令和8年告示第51号)とリーフレット
  • 厚生労働省「総合労働相談コーナー」
  • 労働基準法、民法
  • 厚生労働省 雇用保険の給付制限の案内、ハローワーク「特定受給資格者の範囲」
  • 厚生労働省「診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について」(令和8年)
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