「もう理学療法士を続けられないかもしれない。でも、ほかに何ができるんだろう」
朝から夕方まで、予定はリハビリで埋まっている。終わってから記録を書いて、気づけば外は暗い。患者さんの役に立ちたくて選んだ仕事なのに、最近は「理学療法士から転職」と検索する日が増えた。
でも、つらいのは、あなたが理学療法士に向いていないからとは限りません。 今の職場の働き方が合っていないだけなら、資格を手放さずに、職場の種類を変えるという道があります。
30秒でわかる結論
- 理学療法士が働く場所は、病院だけではありません。診療所、介護老人保健施設、訪問看護ステーション、通所・訪問のリハビリ、デイサービスなどでも働いています。
- 職場の種類が変わると、リハビリをする相手が変わります。
- 病院・クリニックの医療保険のリハビリは、20分以上の訓練で1単位と数え、療法士1人あたり1日18単位が標準、24単位が上限です。
- 理学療法士の免許には、法律上の更新の決まりがありません。職場を変えても、資格はそのまま使えます。
- 辞めるか続けるかの前に、「どの職場なら続けられるか」を考えましょう。
病院の外にも、働く場所がある
日本理学療法士協会の会員の勤務先を見ると、いちばん多いのは病院で、約7.2万人です。
それ以外にも、たくさんの理学療法士が病院の外で働いています。
- 診療所(クリニック):約1.2万人
- 介護老人保健施設:5,380人
- 訪問看護ステーション:4,996人
- 通所リハビリ:1,629人
- 通所介護(デイサービス):1,495人
- 訪問リハビリ:1,142人
※ 日本理学療法士協会の会員(休会者を除く)の、2026年3月末の数です。病院と診療所は、区分ごとの人数を合わせています。
「理学療法士の仕事=病院」ではありません。 今の病院がつらくても、ほかの職場で同じ資格を活かしている人がいます。
職場の種類で変わること
| 職場 | リハビリの相手 |
|---|---|
| 病院・クリニック | 入院・通院している患者さん |
| 介護老人保健施設 | 施設に入所している人 |
| 通所リハビリ | 施設に通ってくる人 |
| 訪問リハビリ・訪問看護 | 自宅で暮らす人 |
| デイサービス | 施設に通ってくる人 |
※ デイサービスでは、機能訓練を担当する「機能訓練指導員」として働きます。理学療法士は、この職員になれる職種の一つです。

病院・クリニックは、1日の量を「単位」で数える
病院やクリニックの医療保険のリハビリは、患者さん1人に20分以上の訓練をして「1単位」と数えます。療法士1人が1日に行う量は、18単位が標準で、24単位が上限です。
病院・クリニック同士の求人を比べるときは、1日に何単位を担当するかが分かりやすい物差しになります。今の自分の単位数を数えておきましょう。
介護の職場は、リハビリの相手が変わる
介護老人保健施設や通所リハビリ、訪問リハビリは、介護保険のサービスです。国の基準で、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士を置くことが決められています。たとえば介護老人保健施設では、入所者100人につき1人以上(常勤換算)です。
リハビリの相手は、入院中の患者さんではなく、施設で暮らす人や、自宅で暮らす人に変わります。「退院したあとの生活まで関わりたい」と思っていたなら、こうした職場が合うかもしれません。
転職しても、資格はそのまま使える
理学療法士の免許は、国家試験に合格して、国の名簿に登録されることで与えられます。法律には、免許の更新の決まりがありません。
だから、職場の種類を変えても、資格は変わらずに使えます。病院を離れても、資格がなくなることはありません。
「理学療法士から転職」を考えたとき、資格を手放すのは、ほかの職場を見てからでも遅くありません。
求人を見るときに確かめること
職場の種類が決まったら、求人を見るときに次のことを確かめましょう。
- 病院・クリニック:1日に担当する単位数はどのくらいか。記録の時間は勤務時間に入っているか
- 介護老人保健施設:療法士は何人いるか。1人で抱えることにならないか
- 通所リハビリ:1日に何人の利用者を担当するか。送迎などリハビリ以外の仕事はあるか
- 訪問リハビリ・訪問看護ステーション:1日に何件回るか。移動は車か自転車か。休みの日の連絡はあるか
- デイサービス:機能訓練指導員は、ほかの仕事を兼ねてよいとされています。リハビリ以外に何を担当するか
分からないことは、応募の前に聞きましょう。 入ってから分かるより、ずっと楽です。

資格を手放す前に、働く場所を変えてみる。それだけで続けられる人もいます 🌿
まとめ:今日やることは1つだけ
今の職場とは違う種類の求人を1つ、のぞいてみる。 好きで選んだ資格を、今の職場のつらさだけで手放さなくていい。
- 理学療法士が働く場所は、病院だけではありません。介護老人保健施設、訪問・通所のリハビリ、デイサービスなどでも働いています。
- 病院・クリニックのリハビリは、20分以上で1単位・1日18単位が標準、24単位が上限です。
- 介護の職場では、リハビリの相手が施設や自宅で暮らす人に変わります。
- 理学療法士の免許に、法律上の更新の決まりはありません。職場を変えても資格はそのまま使えます。
- 求人を見るときは、1日の担当量と、1人で抱えないかを確かめましょう。
※ 参考にした資料
- 厚生労働省「診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について」(令和8年3月5日 保医発0305第6号)
- 指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準(平成11年厚生省令第37号)
- 介護老人保健施設の人員、施設及び設備並びに運営に関する基準(平成11年厚生省令第40号)
- 厚生労働省「指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準…の制定に伴う実施上の留意事項について」(老企第36号・令和6年改正)
- 理学療法士及び作業療法士法
- 日本理学療法士協会「統計情報」

