辞めたあと、保険証はどうなるの? 年金は? 誰も教えてくれないまま、退職日が来る。
わかります。会社にいるあいだは、全部会社がやってくれていたから。
このページには、辞めた翌日から次の職場に入るまでのあいだの、健康保険の3つの選択肢と、年金の切り替えを、期限つきで書いておきました。期限は「14日」と「20日」。ここだけは覚えて帰ってください。
30秒でわかる結論
- 次の会社に翌日から入る人:健康保険と年金の切り替えは会社がやります。市区町村での手続きは要りません。
- 空白期間がある人:健康保険は「任意継続」「国民健康保険」「家族の扶養」の3択。年金は国民年金に切り替え。
- 期限:任意継続は退職の翌日から20日以内。国民健康保険と国民年金は14日以内。
- どれが安いかは、人によって逆転します。任意継続=今の明細の健康保険料×2、国民健康保険=市区町村で試算、扶養=0円。この3つを並べて比べてください。
健康保険の3つの選択肢
1. 任意継続(今の保険を続ける)
会社で入っていた健康保険を、退職後も最長2年続けられる仕組みです。
条件は2つ。退職の前日まで2か月以上続けて入っていたこと、そして退職の翌日から20日以内に申し込むこと。20日を過ぎると、原則使えません。
保険料は、会社が半分持ってくれていた分がなくなるので、在職中の2倍になります。ただし、月給がだいたい32万円を超えていた人は、そこで頭打ちなので2倍にはなりません。保険料は原則2年間変わりません。
途中でやめたくなったら、申し出れば翌月からやめられます。「2年間縛られる」わけではありません。
注意点がひとつ。任意継続のあいだに病気で働けなくなっても、給料の代わりのお金(傷病手当金)は新しくはもらえません。
2. 国民健康保険(市区町村の保険)
住んでいる市区町村の保険に入ります。退職の翌日から14日以内に届出です。
保険料は、前の年の所得と世帯の人数で決まり、市区町村によって計算が違います。去年の収入がそれなりにあった人は、思ったより高くなることがあります。逆に、減免の制度もあります。市区町村の窓口かサイトで、あなたの場合の額を試算してもらえます。
3. 家族の扶養に入る
配偶者や親が会社の健康保険に入っていれば、その扶養に入る道があります。
条件は、これからの年収の見込みが130万円未満であること。過去の年収ではなく、「これから」の見込みで判断します。目安は月10万8千円くらい。60歳以上は基準が上がります。
ここで落とし穴。失業給付をもらい始めたら、ほとんどの人は扶養から外れます。線は1日3,600円ちょっとです。給付を待っているあいだは入れます。

ここ、調べておきました。扶養の「130万円」は、過去の年収ではなく「これから」の見込みです。失業給付も数えます。

どれを選ぶか
「任意継続が得」「国保が安い」と一般化はできません。地域、去年の所得、世帯人数で逆転するからです。
やることは1つ。3つの保険料を、実際の金額で並べる。
- 任意継続:退職前の給与明細の健康保険料×2(上限あり)
- 国民健康保険:市区町村に試算を頼む
- 扶養:条件を満たすか
並べれば、あなたの答えは出ます。
年金の切り替え
会社員のあいだは厚生年金でしたが、辞めて次の会社に入らないなら、国民年金に切り替えます。退職の翌日から14日以内に市区町村へ。
保険料は、令和8年度で月17,920円です。
払うのが厳しい場合は、免除や納付猶予の制度があります。とくに、失業した人は、離職票などで失業が確認できれば、本人の前年の所得に関係なく免除を受けられる特例があります。「払えないから放っておく」前に、まず窓口で相談してください。
配偶者が厚生年金に入っていて、その扶養に入るなら、年金も配偶者の勤務先経由で手続きします。
逆に、あなたの扶養に入っていた配偶者は、同じ日から国民年金の手続きが要ります。忘れると未納扱いになります。

失業したときの年金には、前年の所得に関係なく使える免除の特例があります。離職票を持って、窓口へ 📝
保険証のこと
いまはマイナ保険証が基本で、持っていない人には「資格確認書」が届きます。転職や退職で保険が変わっても、マイナンバーカードの利用登録をやり直す必要はありません。ただし、新しい保険への加入の届出は必要です。
辞めた会社の保険は退職の翌日から使えないので、資格確認書は速やかに返します。
辞める前に、自分の数字で決めておく
ここまでの3択は、辞めたあとに考え始めると間に合いません。任意継続は20日以内、扶養は「これからの見込み」で判断されます。だから、決めるのは辞める前です。
材料は、いま手元にあります。任意継続の保険料は在職中の給与明細の標準報酬月額から、国民健康保険は前年の所得から市区町村に試算を頼めば出ます。この2つと扶養の可否を並べれば、あなたの場合の答えは、退職日より前に出せます。
保険料だけでなく、空白期間の年金、失業給付、次の職場の手取りまでまとめて見たい人は、在職中のうちに家計の相談を受けておくと、辞めたあとに慌てません。相談は「収入がある在職中」に申し込むのが、いちばん選べる手が多い状態です。

決めるのは辞める前。給与明細と前年の所得があれば、3つの保険料はいま出せます 📝
まとめ:期限だけは覚えて
- 翌日から次の会社:市区町村での手続きは要らない。
- 任意継続:20日以内。保険料は2倍・上限あり・途中でやめられる。
- 国民健康保険:14日以内。前年所得で決まる・試算を頼む。
- 扶養:これからの見込み130万円未満。失業給付も収入に入る。
- 国民年金:14日以内。失業の特例免除がある。
3つの保険料を並べる。年金は特例免除を知っておく。それだけで、辞めたあとの数か月が、だいぶ楽になります。
辞めたあとの保険料をふくめて家計をまとめて見てもらうなら、みんなの生命保険アドバイザーでFPに無料で相談できます。何度でも無料で、訪問でもオンラインでも相談できます。
※ 参考にした資料:健康保険法(第37条・第38条)/国民健康保険法施行規則(第3条)/国民年金法・同施行規則/協会けんぽ「退職後の健康保険」・任意継続に関するよくある質問/日本年金機構「会社を退職した時の国民年金の手続き」・「国民年金保険料」・「保険料の免除・納付猶予」・「被扶養者の認定」/厚生労働省 マイナ保険証・資格確認書の案内


