「女性保険って、ふつうの医療保険と何が違うんだろう」
会社員で、結婚して2年。医療保険を考えていたら、「女性保険」をすすめられた。ふつうの医療保険と何が違うのか、女性保険にしたほうがいいのかがわからない。
女性保険は、ふつうの医療保険に何が足されたものかがわかると、自分に要るかを考えやすくなります。生命保険文化センター・国立がん研究センター・協会けんぽの資料をもとに、順に見ていきます。
30秒でわかる結論|女性保険
- この記事では、医療保険に「女性疾病入院特約」を付けたものを女性保険と呼びます。女性特有の病気や、女性に多い病気で入院したときの給付が上乗せされます。
- 対象の病気(乳がん・子宮筋腫・分娩の合併症など)は、保険会社が決めます。
- 女性のがんでいちばん多いのは乳がんです(2023年に約10.3万例)。
- 帝王切開などは健康保険の対象で、医療費が高くなったときは高額療養費の対象です。正常分娩は対象外です。
女性保険とは、どんなもの?
「女性保険」という言葉に決まった定義はありません。生命保険文化センターの資料では、女性向けの保障は「女性疾病入院特約」として説明されています。この記事では、医療保険にこの特約を付けたものを女性保険と呼びます。
| 項目 | 中身 |
|---|---|
| 受け取れるとき | 女性特有の病気や、女性に多い病気(保険会社が決めたもの)で入院したとき |
| 病気の例 | 乳がん、子宮筋腫、甲状腺の障害、分娩の合併症など |
| 付け方 | 医療保険などの、病気で入院したときの給付に上乗せする |
| 手術 | 決められた手術で、給付金を受け取れるものもある |
つまり、女性疾病で入院したときも、医療保険の部分の給付は出ます。そこに、特約の分が上乗せされるしくみです。ふつうの医療保険でも、女性の病気で入院すれば給付は出ます。

女性に多いがんは?
国立がん研究センターの統計(2023年)で、女性のがんを新たに診断された数の多い順に並べると、次のとおりでした。
| 順位 | 女性のがん(新たに診断された数の順) |
|---|---|
| 1位 | 乳房(102,592例) |
| 2位 | 大腸 |
| 3位 | 肺 |
| 4位 | 胃 |
| 5位 | 子宮 |
※ 女性のがん全体の順位で、特約の対象の一覧ではありません。女性が一生のうちにがんと診断される確率は50.1%(2人に1人・2023年のデータ)です。
※ 調査の日に入院していた人の推計は、人口10万人あたり男性893人、女性995人でした(2023年・厚生労働省の患者調査)。
出産と、公的な医療保険
- 正常分娩:公的医療保険の対象外です。かわりに、出産育児一時金(1児につき50万円。産科医療補償制度に入っていない病院での出産や、22週未満の出産は48.8万円)が出ます。
- 帝王切開など:健康保険の対象です。医療費が高くなったら、高額療養費も使えます。
※ 入院したときの自己負担の目安は、「入院費用の平均はいくら?」にまとめました(過去5年に入院した人の直近の入院で平均18.7万円。食事代や差額ベッド代も含み、高額療養費を使った人は使った後の額)。

女性保険は、医療保険に何が上乗せされているかを見ると、自分に要るかを考えやすくなります 🌿
入る前に、確かめること
- 対象の病気:どの病気が「女性疾病」に入るか(保険会社によって違う)。
- 上乗せの額と日数:1回の入院で何日まで受け取れるか(60日・120日のものが多い)。
- 手術の給付:決められた手術で給付金が出るか。
- 保障の期間:更新型か、全期型か(更新型は、更新のときに保険料が計算し直される)。
- 健康状態による条件:過去の病気や持病によっては、その部位の病気を一定期間保障しない条件(特定部位不担保)や、割増保険料などの条件が付くことがある。
医療保険そのものが必要かどうかは、「医療保険は必要?いらない?」に、保険料の払い方は、「医療保険は終身と定期どっち?」にまとめました。
まとめ:今日やることは1つだけ
すすめられた女性保険の資料で、上乗せされる病気の一覧・上乗せの額と、特約を付けない場合との保険料の差を書き出す。 何にいくら払って、何が増えるのかを比べられます。
- 女性保険(この記事では医療保険+女性疾病入院特約)は、女性疾病の給付を上乗せするものです。
- 対象の病気は保険会社が決めます。
- 女性のがんでいちばん多いのは乳がんです。
- 帝王切開などは健康保険の対象で、正常分娩は対象外です。
※ 参考にした資料
- 公益財団法人 生命保険文化センター「女性疾病入院特約」「医療保険」「どのくらいの人が病気やケガで入院しているの?」ほか
- 国立がん研究センター がん情報サービス「最新がん統計」「乳房」
- 全国健康保険協会(協会けんぽ)「出産育児一時金」


