「志望動機の欄で、手が止まる。本音は『今の園がつらいから』なのに」
園を変えると決めたのに、履歴書の前で固まってしまう。前の園の不満しか浮かばない。そんな理由を書いたら落とされそうで、応募する勇気が出ない。
大丈夫です。志望動機が書けないのは、あなたに動機がないからではありません。 辞めたい理由の中に、次の園で大切にしたいことが、もう入っています。
30秒でわかる結論
- 志望動機の芯は、「辞めたい理由」の裏返しで作れます。「人間関係がつらい」は「職員どうしで声をかけ合える園で働きたい」に言い換えられます。
- 保育士が職場を選ぶときには、勤務地・人間関係に加えて、保育理念への共感を重視する人も3割台います(東京都の調査)。応募先の保育理念に触れると、「なぜこの園か」が伝わります。
- 書類は、選ばれるためだけでなく、あなたが園を選ぶための道具でもあります。
- 保育士として働くには、保育士登録簿への登録が必要です。書く前に、登録が済んでいるかを確かめておきましょう。
「辞めたい理由」を「次の園でしたいこと」に言い換える
東京都の調査で、保育士を辞めた人が挙げた理由の上位は、職場の人間関係(31.5%)・仕事量が多い(23.1%)・給料が安い(22.1%)でした。どれも、裏返せば「次の園で大切にしたいこと」になります。
| 辞めたい理由(本音) | 志望動機での言い方(例) |
|---|---|
| 人間関係がつらい | 職員どうしで声をかけ合い、チームで保育をする園で働きたい |
| 仕事量が多い・持ち帰りが多い | 子どもと向き合う時間を大切にできる環境で、保育に集中したい |
| 保育の方針が合わない | 貴園の「◯◯」という保育理念に共感し、実践したい |
言い方は、応募先に合わせて自分の言葉にしてください。
給料などの条件は、志望動機でごまかさず、求人票や面接で確かめることとして分けておきます。
不満を隠す必要はありません。前向きに言い換えるだけです。「人間関係が嫌だった」を「チームで保育をしたい」と書き換えるように、「嫌だったこと」を「したいこと」に書き直すだけで、うそにはなりません。
志望動機は3つの文でできる
書き出せないときは、次の3つを1文ずつ書いてみてください。
- これまで、何を大切に保育してきたか。 例「4年間、2歳児クラスを中心に、一人ひとりのペースに合わせた声かけを大切にしてきました」
- 次の園で、何を大切にしたいか。(上の表の言い換え)
- なぜ、この園なのか。 応募先の保育理念や方針のどこに共感したかを、ひとつだけ具体的に書きます。
3つめが、いちばん大事です。保育理念への共感を重視して園を選ぶ保育士は3割台います。理念のどこに共感したかを1つ書くと、「なぜこの園か」を自分の言葉で書けます。

志望動機に書く必要がないこと
採用選考は、本人の適性と能力で行うことが求められています。本籍地や家族の職業など、本人に責任のないことや、思想・信条にかかわることは、採用基準にしないことが必要とされています。
- 本籍・出生地、住宅の状況、家族の職業や学歴・収入、愛読書などは、採用選考で把握することが就職差別につながるおそれがあるとされる事項です。
- 志望動機に書くのは、あなたの保育の経験と、次の園でしたいことで十分です。
書けたら、1園だけ応募してみる
完璧な志望動機を目指さなくて大丈夫です。3つの文が書けたら、それで一度、気になる1園に出してみてください。保育士の有効求人倍率は3.10倍で、全職種の平均(1.20倍)より高い状況です。1園目で決まらなくても、次の園に応募すればいいだけです。

「辞めたい理由」は、あなたが次に大切にしたいことの裏返し。そのまま書いていいんです ✍️
まとめ
- 志望動機は、辞めたい理由を「次の園でしたいこと」に言い換えると作れる。
- 組み立ては、これまで大切にしてきたこと → 次に大切にしたいこと → なぜこの園かの3文。
- 応募先の保育理念に、ひとつ具体的に触れると「なぜこの園か」が伝わる。
- 本籍や家族のことなど、適性と能力に関係のないことは、志望動機に書く必要はない。
辞めたいのが保育なのか今の園なのかは「保育士を辞めたい。辞める前に知ってほしい『保育士のまま、園だけ変える』という道」に、次の園で人間関係を確かめる見方は「保育士の人間関係がつらい。『どこの園も同じ』とは限らない理由」にまとめておきました。年度の途中で辞めるときの順番は「保育士は年度の途中で辞められる? 法律は『2週間』。年度末まで我慢しなくていい」にあります。
本音の中に、もう答えはあります。 今夜、3つの文を書いてみてください。
※ 参考にした資料
- 東京都福祉局「令和4年度東京都保育士実態調査 結果の概要」
- こども家庭庁「保育人材の確保のための総合的な対策」基礎資料
- e-Gov法令検索「児童福祉法」第18条の18・第18条の23
- 厚生労働省「公正な採用選考をめざして」

