「ニュースで『介護職員の給料が月1.9万円上がる』って見た。でも、私の明細のどこが増えたのか分からない」
国が介護職員の給料を上げると聞くたびに、少し期待する。でも、明細を見ても違いがよく分からない。職場に「私の分はどうなっていますか」と聞いていいのかも分からない。
聞いていいんです。処遇改善加算を取る事業所には、賃金改善の方法を職員に伝え、職員から聞かれたら書面などで分かりやすく答えるよう、国が求めています。
30秒でわかる結論
- 介護職員の給料を上げるための加算は、令和6年6月に「介護職員等処遇改善加算」に一本化されました。
- 令和8年6月から、この加算が拡充されます。介護職員は最大で月1.9万円の賃上げです。
- 国のお金はまず事業所に入り、どう配るかは事業所が決めます。ニュースの額が、そのまま明細に同じ額で載るとは限りません。
- 自分の分は、処遇改善計画書を見せてもらう、書面で答えてもらうことで確かめられます。
「月1万円」と「月1.9万円」は、何が違う?
ニュースに出てくる金額は、令和8年度の介護報酬改定で決まった賃上げの内訳です。
| 金額 | 中身 |
|---|---|
| 月1.0万円 | 介護職員だけでなく、介護で働く人全体の賃上げ |
| 月0.7万円 | 生産性の向上などに取り組む事業所の介護職員への上乗せ |
| 最大月1.9万円 | 上の2つに定期昇給の分を合わせた、介護職員の最大の賃上げ |
その前の令和7年度にも、補助金として、介護職員は最大月1.9万円相当を6か月分、事業所に補助する仕組みがありました。

なぜ、明細では分かりにくい?
国の補助は、常勤換算で職員一人当たりに計算した額をもとに、事業所の報酬に一定の率を掛けて事業所に払われます。そのお金を、基本給に上乗せするか、手当にするか、誰にどれだけ配るかは、事業所が決めます。
参考までに、処遇改善加算を取っている事業所で働く介護職員(常勤・月給)の平均給与額は、令和6年9月時点で338,200円です。
自分の分は、どう確かめる?
- 処遇改善計画書を見せてもらいましょう。加算を取る事業所は、賃金改善の方法を計画書などで職員に伝えるよう求められています。
- 分からないことは、書面で答えてもらいましょう。職員から聞かれたら、書面などで分かりやすく答えるよう求められています。
- 職場の取り組みは、外からも確かめましょう。加算の上位区分を取る事業所は、職場環境の取り組みを「介護サービス情報公表システム」などで公表することになっています。
聞き方に迷ったら、次のように伝えてみましょう。
「処遇改善加算の賃金改善が、私の給与のどこに入っているか教えてください。処遇改善計画書があれば、見せていただけますか。」
聞くのは、わがままではありません。国が事業所に求めていることです。
配り方に納得できないときは?
同じ加算を取っていても、配り方の決め方は事業所によって違います。介護で働く人の満足度をみても、「賃金水準」は不満のほうが多い項目です。
- 次の職場を探すなら、処遇改善加算のどの区分を取っているか、賃金改善をどう配っているかを面接で聞いてみましょう。
- 情報公表システムで、職場環境の取り組みを先に確かめておきましょう。

自分の給料のことを聞くのは、当たり前のことです。遠慮しなくて大丈夫 🌱
まとめ:今日やることは1つだけ
処遇改善計画書を見せてほしいと職場に伝える一言を、メモに書いておく。 上がった分がどこに行ったかは、聞けば分かります。次の給料日の前に、見せてもらいましょう。
- 介護職員の給料を上げる加算は、令和6年6月に「介護職員等処遇改善加算」に一本化。
- 令和8年6月から加算が拡充。介護職員は最大で月1.9万円の賃上げ。
- 国のお金は事業所に入り、配り方は事業所が決める。ニュースの額がそのまま明細に載るとは限らない。
- 自分の分は、処遇改善計画書と書面での回答で確かめられる。聞いていい。
職場を変えるときの書類は「介護の職務経歴書、何を書けばいい?『毎日の介護』は、そのまま書ける経験になる」に、介護の仕事がつらいときの考え方は「介護職を辞めたいのは甘え? そのつらさの多くは、職場の条件から来ている」にまとめておきました。
※ 参考にした資料
- 厚生労働省「介護職員の処遇改善」「令和8年度介護報酬改定の概要」「介護分野の職員の賃上げ・職場環境改善事業」リーフレット
- 厚生労働省「介護職員等処遇改善加算に関する基本的考え方並びに事務処理手順及び様式例の提示について(令和8年度)」
- 厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果」
- 介護労働安定センター「令和6年度 介護労働実態調査」

