「介護なんて、どこも大変。辞めたいなんて甘えだよ」
人が足りなくて、休憩もまともに取れない。先輩の言い方はきつい。それでも利用者さんの前では笑っている。やっと「辞めたい」と言えたのに、返ってきたのは「甘え」のひと言だった。
先に答えます。介護職を辞めたいのは、甘えではありません。 介護で働く人たちへの調査を見ると、あなたが感じているつらさは、あなたの弱さではなく、職場の条件から来ていることが多いものです。
30秒でわかる結論
- 介護で働く人の今の悩みで最も多いのは「人手が足りない」(49.1%)。次いで「仕事内容のわりに賃金が低い」(35.3%)、「身体的負担が大きい」(24.6%)です。
- 介護から介護へ移った人が、前の職場を辞めた理由で最も多いのは「職場の人間関係」(24.7%)。その中身は「上司や先輩の指導や言動がきつい、パワハラがあった」が最も多くなっています。
- どちらも、あなたの努力だけでは変えられない、職場の側の問題です。
- 介護職に中途で入った人の前の仕事は、「介護関係」が37.0%で最も多くなっています。職場を変えて、介護を続ける人は少なくありません。
- 仕事を辞めるのは、あなたの自由です。
あなたが感じていることは、調査の数字と重なる
たしかに、従業員が足りないと感じている事業所は65.2%にのぼります。介護の現場の多くが人手不足なのは事実です。でも、だからといって、その穴をあなた一人の我慢で埋め続ける理由にはなりません。
| あなたが感じていること | 調査では |
|---|---|
| 人が足りなくて回らない | 今の悩みの1位「人手が足りない」49.1% |
| 休憩も取れず、体がもたない | 「身体的負担が大きい」24.6% |
| 頑張っても給料が見合わない | 「仕事内容のわりに賃金が低い」35.3% |
| 先輩の言い方がきつい | 介護から介護へ移った人の、前の職場を辞めた理由の1位「人間関係」24.7%。中身は「上司・先輩の言動がきつい、パワハラ」が最多 |
あなたが感じていることは、介護で働く多くの人が感じていることです。 同じことで悩んでいる人がこれだけいるのに、それを「甘え」と呼ぶのは筋が通りません。

満足している人が多いこと、不満が多いこと
同じ調査で仕事の満足度をみると、「仕事の内容」と「職場の人間関係」は、満足している人のほうが多くなっています。反対に、「人員配置体制」「休憩室などの設備」「賃金水準」は、不満のほうが多い。
あなたが今つらいのは、どちらでしょうか。
- 人の配置が足りず、休憩や休みが取れない
- 休憩室や設備が整っておらず、体が休まらない
- 賃金が仕事の中身に見合わない
- 特定の上司や先輩の言動がきつい
どれも、介護の仕事そのものではなく、今の職場の条件です。そして、職場の条件は、職場によって違います。
事業所の側も、職員が長く働くために最も効果がある方策は「休暇を取りやすく、勤務日時を変えやすい職場づくり」だと答えています。次の職場を選ぶときに、真っ先に確かめたいところです。
上司や先輩の言動がつらいなら、外に相談できる
- 上司や先輩の言動がパワハラにあたるかもと思ったら、職場の外の窓口にも相談できます。総合労働相談コーナーは、全国の労働局や労働基準監督署など378か所にあり、予約はいりません。
- 辞めるのは、あなたの自由です。期間の定めのない雇用なら、辞めると申し入れてから2週間で雇用は終わります。就業規則に「1か月前」などの定めがあれば、それに合わせて申し出ます。

辞めたいと思うのは、甘えじゃありません。そのつらさの多くは、今の職場の事情から来ているんです 🌿
まとめ
- 介護職を辞めたいのは甘えではない。今の悩みの1位は「人手が足りない」(49.1%)。
- 介護から介護へ移った人が前の職場を辞めた理由の1位は「職場の人間関係」(24.7%)。中身は上司・先輩の言動のきつさやパワハラ。
- 仕事の内容と人間関係は満足している人のほうが多く、不満が多いのは人の配置・設備・賃金。どれも職場の条件。
- 介護職に中途で入った人の前の仕事は介護関係が最多。職場を変えて、介護を続ける道がある。
職場を変えるときの書類の準備は「介護の職務経歴書、何を書けばいい?『毎日の介護』は、そのまま書ける経験になる」にまとめておきました。
辞めたい理由は、あなたがつらいという事実だけで十分です。 休みの取りやすさを先に確かめられる職場を、まず1か所、調べてみてください。
※ 参考にした資料
- 介護労働安定センター「令和6年度 介護労働実態調査」(事業所調査・労働者調査)
- 厚生労働省「確かめよう労働条件」「知って役立つ労働法」「総合労働相談コーナーのご案内」
- e-Gov法令検索「民法」第627条

