「子どもは独立したのに、保険はあのときのまま」
30歳で子どもが生まれたとき、死亡保障3,000万円の保険に入った。更新のたびに保険料が上がって、いま月2.8万円。娘は去年就職して家を出た。ローンは残り6年。このままでいいのかと思いながら、何を減らしていいか分からず、また更新してしまった。
決めるのはあなたですが、決める材料は下調べ係が集めておきました。このページには、50代の保険を「残す・減らす・やめる」に分ける前に知っておく公的な保障、減らす方法、そして先に解約しない順番を書いています。
30秒でわかる結論
- 決める前に、公的な保障で何が賄えるかを知る。医療費には高額療養費の上限があり、協会けんぽの例(標準報酬月額28万〜50万円・令和8年8月から)では医療費100万円の月で自己負担は約9.3万円。死亡には遺族年金があり、子が18歳の年度末を過ぎた家庭(障害のある子を除く)では遺族基礎年金は対象外ですが、遺族厚生年金は子のない妻も対象です。
- 「減らす」には、解約以外に保険金の減額・特約の解約・払済保険があります。保険料を軽くするだけなら、まずここから。
- 先に解約しない。一度解約すると戻らず、健康状態によっては入り直せません。残す・減らす・やめるを決めてから、必要なら新しい契約が成立してから古い契約を動かします。
先に知っておく公的な保障(1)医療費には上限がある
医療保険を「残すか、減らすか」を決める前に、健康保険の高額療養費制度を知っておきます。窓口で払う医療費が月の上限額を超えた分は、あとから支給されます。上限は年齢と所得で決まり、協会けんぽの令和8年8月からの表では、70歳未満・標準報酬月額28万〜50万円の区分なら、医療費100万円の月の自己負担は92,940円(約9.3万円)です。さらに、直近12か月に3回以上上限に達すると4回目から上限が下がる「多数回該当」があり、令和8年8月からは年単位の上限も設けられています。
つまり、「入院したら医療費に上限が無い」わけではありません。あなたの年収区分での上限額を知れば、「医療保険でいくら備えたいか」の数字が現実的になります。上限は年収区分で違うので、自分の区分を協会けんぽや健保組合の案内で確かめてください。

ここ、調べておきました。医療費には月の上限があります。自分の年収区分の上限額が、医療保険を決める出発点です 📝

先に知っておく公的な保障(2)遺族年金の対象は誰か
死亡保障を「残すか、減らすか」の前に、遺族年金の対象を確かめます。
- 遺族基礎年金は「子のある配偶者」と「子」が対象で、子とは18歳になった年度の3月31日までの子です。子が独立した家庭では、対象になりません。年金額は令和8年4月分から847,300円+子の加算です。
- 遺族厚生年金は、厚生年金に入っている人が亡くなったときなどに、生計を維持されていた配偶者や子が対象で、子のない妻も対象です。40歳以上65歳未満で子のいない妻には、65歳まで年635,500円の中高齢寡婦加算が付きます(一定の要件があります)。
金額は加入歴で違うので「あなたはいくら」とは書けませんが、対象になるかどうかは家族構成で決まります。子が独立した50代の会社員(厚生年金に加入)の家庭なら、遺族基礎年金は対象外で、遺族厚生年金が中心になります。ここを知ってから、死亡保障の額を考えます。
「残す・減らす・やめる」に分ける
公的な保障を知ったら、今の契約を3つに分けます。比べる目安として、年間の払込保険料は2人以上世帯で平均35.3万円、個人で平均17.1万円です。月2.8万円(年33.6万円)は、1人分としては平均の約2倍、世帯平均に近い水準です。
- 残す:公的な保障で足りない部分。たとえば、ローンが残っているあいだの死亡保障、働けなくなったときの生活費。
- 減らす:子どもが独立して不要になった分の死亡保障。減額は減らした部分が解約扱いになり、返戻金を受け取れる場合もあります。特約の保障額が同時に減ることがあるので、確認してから。
- やめる:高額療養費の上限と貯蓄で賄えると判断した特約。特約だけを解約すれば、その分の保険料が安くなります。
保険料の払込みをやめて契約だけ続けたいなら、払済保険や延長(定期)保険に変える方法もあります(特約は消えます)。

分けるのは「残す・減らす・やめる」の3つ。解約は、その中の「やめる」の一部でしかありません。
先に解約しない、という順番
50代で気をつけるのは、順番です。一度解約した保険は元に戻らず、入り直すときは年齢分だけ割高で、健康状態によっては新たに契約できないことがあります。だから、今の契約を残したまま、減額や特約の解約で済むかを先に見て、新しい契約が要るなら成立してから古い契約を動かす。告知は健康診断の結果も含めて事実どおりに。損しやすい型(先に解約・転換の中身を見ない・告知を軽く見る)の詳しい話は、「生命保険の見直しで損しないための3つの注意」にまとめてあります。
相談に行く前に、決めておくこと
- 自分の年収区分の高額療養費の上限額を確かめる。医療保険の「備えたい額」がここで決まります。
- 遺族年金の対象になるかを、家族構成で確かめる。死亡保障の「残す額」の出発点です。
- 今の契約を「残す・減らす・やめる」に仮に分ける。 主契約と特約を分けて、保険料を書き出す。
- 「今日は決めない」と最初に言う。 減額や転換の書面は持ち帰って読む。
無料相談の仕組み(なぜ無料か・行く前に決めること)は「無料のFP相談は、なぜ無料?」にまとめておきました。
まとめ
- 決める前に公的な保障を知る。医療費には月の上限、死亡には遺族年金(子が独立した会社員の家庭なら遺族厚生年金が中心)。
- 今の契約を「残す・減らす・やめる」に分ける。減らす方法は減額・特約の解約・払済。
- 先に解約しない。今の契約を残したまま決めて、新しい契約が要るなら成立してから。
50代からの保険を見直したい人向けの無料相談です。
※ 参考にした資料
- 協会けんぽ「高額な医療費を支払ったとき」(令和8年8月からの自己負担限度額)
- 日本年金機構「遺族基礎年金」「遺族厚生年金」(受給要件・対象者・年金額)
- 生命保険文化センター「保険料の負担軽減・払込の中止と契約の継続」「解約」「転換制度」「生命保険の保険料は年間どれくらい払っている?」
- 保険法 第37条・第55条(e-Gov法令検索)


