「このまま今の仕事を続けていいのかな」
メーカーの事務職で、正社員10年目の36歳の女性。仕事に大きな不満はないけれど、「このままでいいのか」「自分は何がしたいのか」がわからなくなっている。転職するかも決められず、何から考えればいいのかわからない。
働き方に迷う状態は、「キャリア迷子」と呼ばれることがあります。迷っている人がどれくらいいるのかと、迷いを整理する順番を、国の資料をもとに見ていきます。
30秒でわかる結論|キャリア迷子とは
- 「キャリア迷子」は、国の統計や法律で決まった言葉ではありません。働き方の方向が見えなくなった状態を指して使われることがある言葉です。
- 仕事や職業生活に強い不安・悩み・ストレスがある人は、働く人の67.5%でした。30代は69.0%、40代は71.5%です(2025年・働き方の迷いだけを聞いた数字ではありません)。
- 迷いを整理するときは、国の「ジョブ・カード」の4つの欄(価値観・強み・やりたい仕事・これから取り組むこと)が使えます。
- 1人で整理しきれないときは、国の窓口で60分無料で相談できます。
仕事に強い悩みを抱える人は多い
厚生労働省の調査(2025年)では、今の仕事や職業生活に、強い不安・悩み・ストレスがある人の割合は次のとおりでした。
| 区分 | 割合 |
|---|---|
| 働く人全体 | 67.5% |
| 女性 | 66.9% |
| 30〜39歳 | 69.0% |
| 40〜49歳 | 71.5% |
※ この調査は、仕事全体の不安・悩み・ストレスを聞いたものです。内容の上位は「仕事の量」39.5%などで、働き方やキャリアの迷いだけを聞いたものではありません。

年代が上がるほど、正社員の割合は低い
内閣府の白書(令和8年版)では、女性の正規雇用比率(その年代の女性の人口に占める正社員の割合。正社員以外の人や働いていない人も分母に入る)は、25〜29歳の62.8%をいちばん高い年代として、そこから下がっていきます。
| 年代 | 働いている人の割合 | 正社員の割合 |
|---|---|---|
| 25〜29歳 | 87.4% | 62.8% |
| 30〜34歳 | 84.0% | 54.2% |
| 35〜39歳 | 80.6% | 43.6% |
| 40〜44歳 | 82.7% | 39.5% |
※ どちらも、その年代の女性の人口に占める割合です(2025年の年代別の数字)。
働いている人の割合はあまり変わらない一方で、正社員の割合は年代が上の層ほど低くなっています。年代が上がるほど、正社員以外の形で働く女性の割合が大きくなります。
仕事を変えたいと思う女性は、30代前半で15.6%
総務省の調査(2022年)では、今の仕事を辞めて、ほかの仕事に変わりたいと思っている女性の割合は、全体で10.6%でした。年代別では、30〜34歳が15.6%で、20代後半(17.3%)に次いで高く、35〜39歳が13.4%、40〜44歳が11.5%と、年代が上がると下がります。
2024年10月〜2025年9月に転職した女性のうち、前の会社を自分の都合で辞めた人の理由(3つまで)では、「満足のいく仕事内容でなかった」が23.5%で最も多く、「労働条件(賃金以外)がよくなかった」23.1%が僅差で続きました。

迷いを、言葉にするところから始めてみましょう 🌿
迷ったときに、整理する順番
1. 4つの欄に書き出す
国の「ジョブ・カード」には、これからの働き方を考えるための「キャリア・プランシート」があります。主な記入欄は次の4つです(ほかに「その他」の欄があります)。
| 欄 | 書くこと |
|---|---|
| 価値観・興味 | 大事にしたいこと、興味があること |
| 強み | 自分の強み、苦手を補うためにしていること |
| やりたい仕事・働き方 | これからやってみたい仕事や働き方 |
| これから取り組むこと | 身につけたい力と、その方法 |
全部を一度に埋めなくて大丈夫です。書けるところから書くと、何が決まっていて、何が決まっていないのかが見えてきます。
2. 迷いの種類を分ける
書き出した迷いを、次のどれに近いかで分けます。
- 仕事の中身:今の仕事にやりがいを感じない、ほかの仕事に興味がある
- 働き方:勤務時間、正社員かどうか、家庭との両立
- 方向そのもの:何をしたいのかが、まだ言葉にならない
仕事の中身や働き方なら、転職や社内での異動を調べる段階です。方向そのものが決まっていないなら、まず相談して整理する段階です。
3. 人に話して整理する
1人で整理しきれないときは、人に話すと整理しやすくなります。
- 国の窓口(無料):キャリア形成・リスキリング支援センターや、ハローワークの中の「キャリア形成・リスキリング相談コーナー」で、国家資格のキャリアコンサルタントに60分相談できます。「なんとなく不安がある」段階から相談できます
- 民間のキャリアコーチング(有料のものがある):何をするか・料金・期間は、サービスによって違います
無料の窓口のくわしい使い方は「無料でキャリア相談できるところは?」に、キャリアコーチングとの違いは「キャリアコーチングとは?」にまとめました。
まとめ:今日やることは1つだけ
「大事にしたいこと」と「自分の強み」を3つずつ書き出し、今の迷いが「仕事の中身」「働き方」「方向そのもの」のどれに近いかを1行添える。 次に調べることか、相談することかが決めやすくなります。
- 「キャリア迷子」は、国の統計や法律で決まった言葉ではありません。
- 仕事に強い不安・悩み・ストレスがある人は、30代で69.0%、40代で71.5%でした(2025年)。
- 女性の正社員の割合は、25〜29歳がいちばん高く、年代が上の層ほど低くなっています(2025年)。
- 迷いは、書き出す → 種類を分ける → 人に話すの順で整理できます。
※ 参考にした資料
- 厚生労働省「令和7年 労働安全衛生調査(実態調査)」「令和7年 転職者実態調査」「ジョブ・カード(キャリア・プランシート)」
- 総務省「令和4年 就業構造基本調査」
- 内閣府「男女共同参画白書 令和8年版」
- 厚生労働省委託事業「キャリア形成・リスキリング支援センター」

